時
| 辛い夢を見ました。 それは遠い 遠い 忘れてしまいそうな でもけして忘れることは出来ない あの頃の俺とあの人のこと 夢の中の愛しい人は笑っていました。 幼い俺に手を伸ばし 優しい笑顔で笑っていました。 そんなあの人が俺は好きでした。 「どうかしましたか?」 声を掛けられて顔を上げると カップを持った巽が心配そうに立っていた。 「ううん・・・何でもない」 首を軽く振り、差し出されたカップを受け取る。 「ありがと。ちょっと眠くなってきてたから助かった」 「・・・まだ続けるんですか?」 「今手をつけたばかりの物があるから、これを終わらせるよ」 もしかしたらその後もやるかも知れないけれど・・・ 「・・・都筑さん」 「ん? どうしたんだよ、いつもは残業しなさい!仕事をやりなさいって煩いのに」 ふっと笑うと、益々心配そうな顔になる。 ・・・分かってるんだ、巽の気持ち・・・ でもそれには触れない。 触れるともっと悲しくてやりきれないから。 「顔色が・・・悪いですよ?・・・寝てますか?」 寝てないでしょう・・・という確認。 それには答えずカップを口に運ぶ。 答えなくても分かっているはず、 答えた所で何も変わらない・・・本当にごめんね。 「巽はもう帰るんだろう? いいよ、俺戸締まりしておくから」 「・・・・」 「大丈夫、俺古株だよ、こう見えても」 今はこのまま1人にさせて欲しい。 縋りたい気持ちのままに甘えれば またお前を傷つけてしまう。それも怖いんだ。 だから今はまだ・・・・。 「明日・・・」 「え?」 「明日の晩御飯はうちで」 「巽?」 「あなたの好きな物用意しておきますから来てください」 「・・・・いいの?」 「食生活悪そうですからね」 苦笑する巽。 本当は数日食べていないこと・・・分かっているんだよね? 本当にごめん・・・。 「・・・うん・・・じゃあお邪魔する」 「お酒も少しは用意しておきますよ」 「巽・・・甘いね」 「・・・たまにはいいかなと思って」 そう言って俺の頭を抱き寄せた。 巽の香りに包まれる。 びっくりしたけど・・・でも嬉しかった。 こんな俺に・・・・ありがとう。 「好きだよ・・・巽」 小さく呟くと 「私もですよ」 そう言って頭を撫でてくれた。 時間なんか流れなければいいのに・・・・ 流れても何も変わらないのなら いっそのこと止まってしまえばいいのに・・・・ 目を瞑り、心からそう願った。 俺の夢はいつ終わるんだろう・・・・。 |
2006・6・16
Mai・Hinase
少し前に突発的に書いてしまったものです
私の都筑さん像です
だからこそ、今彼には笑っていて欲しい・・・
そんなことを思いながらも
こういう都筑さんに萌えるのです・・・・v