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| 「なあ〜ひそかぁ〜」 「・・・・・・」 「ねえってば!」 「・・・・煩い」 「もう、返事ぐらいしてくれてもいいじゃん!」 「さっき渡したのは終わったのか?」 「え・・・・まだだけど」 「じゃあやれ!今すぐ終わらせろ!それが終わるまで話しかけるな!」 「ええええ?!」 なんだよ、もう!・・・・という都筑の言葉を聞きながら、それはこっちの台詞だと密は小さく舌打ちをした。 全く何時から此処に籠もっていると思っているんだ? 誰のせいだ、誰の! 朝からさんざん文句は言ってきたが、まだ言い足りない。 終わった書類が積み重なるのは自分ばかり・・・・分かってはいたがこんなにも集中力がないとは思わなかった。 あの時々、すごくまれだが術を使うときのこいつは一体何なんだ?と聞きたい。 普通なら持てないような高位の式を幾つも従えているなんて、実際に見ないと信じないだろう。 最近、外仕事が少ないせいか、どんどん内勤でのこのだらしなさが目についてしまう。 ため息と同時に机の脇を見れば色鮮やかな包装紙にくるまれた小さな包みが紙袋に収まっている。1つは密のだが・・・・それよりも一回り大きい紙袋は目の前の男のだ。 きっと課の方に戻れば机の上にも幾つかあるのだろう。 密自身はこんな行事に全く興味がないが、好意を持ってくれるというものを断るのも、面倒くさくってそのまま貰うことにしている。 ある程度ストックがあると、食事があまり進まないときには結構助かるのだ。 そんなことを知るときっと巽とかはあまり良くは思わないだろうから絶対言わないけれど・・・・。彼は密に対してはなんか庇護しなければ・・・という立ち位置をとるときがあるので、子ども扱いを嫌う密にとっては時として鬱陶しいと思うときがあった。 「はあ・・・・・終わったよ〜;;;」 そう言うと都筑は持っていたペンを放り投げて机に突っ伏した。 「ほら、見せてみろ」 疲れた〜と言っている都筑から書類を受け取る。 「・・・・・・相変わらずきったねえ字だな」 「いいじゃん!読めれば!」 読めるぎりぎりの線だと思う。 こいつもある程度の歳なんだから、その気で書けばそれなりに書くのではないかと思う。それは密は1度だけ、それもちらっとだけど、かなり昔都筑が書いたものを見たことがあったからだ。 でも何故か都筑は報告書等々そういう書き方をしない。 あえてしないのか、もう老化したのか・・・・そんなことは分からない。 ただ自分はこういう都筑の字しか知らない。 それが時々都筑との歴史の差を密に思い知らせるのだった。 「ま、いいんじゃないか」 「密は終わったのかよ?」 「お前の何倍やっていると思ってんだ」 横に積み上げた書類をパンと叩いた。 「あ〜でも疲れたな〜何で今日に限って巽こんな所での仕事を言ったんだろう、ねえ?密」 「・・・・お前のせいだろう・・・・」 「へ?何で?」 「なんでって・・・・お前、今日が何の日か知っているんだろうなあ」 「は? やだなあ〜バレンタインでしょ? さっきから沢山チョコを貰ったんだよ、密だって知ってるじゃん」 「じゃあそういうことだ」 「へ?バレンタインだと・・・・ってなんで?分かんないよ?」 密は都筑の顔を見つめる。 何のことだよ?と首を傾げている。 ・・・・巽さんも大変だ・・・・ 同情したくなる。 毎年毎年現世と変わらずに浮かれてしまうこの日、これも現世と変わらず、女性職員が男性職員へ・・・という光景は良く見かける。 実際、自分のチョコはそればかりだ。 あまり愛想が良くない為に損をしていると亘理に言われたことがあるが、別にそんなことは構わない。 しかし都筑の場合は違った。なんと男性職員が持ってくるのだ。それも結構本気のが・・・・。ただ渡すだけのはまだ良いとしても、ちょっと積極的というか勘違いしている者が必ずいてチョコを餌に何処かに連れ込もうとしたり、思わぬ物を受け取ったりと結構大変な騒ぎになる。また本人はそこら辺のことをまったく理解していないので、周囲の者もえらい目に遭ってしまうのであった。 大体において亘理や巽が微妙にカバーしているのだが、今年は何だかんだとふたりが忙しく・・・・密にそれが回ってきた。 ”すみません、黒崎くん・・・・”と言われて全く自覚のない奴のガード役だ。 仕事も勿論しているが・・・。 今日も午前中はまだ良かったが、資料を取りに来た女性職員から居場所が漏れ、あっという間にチョコの山になってしまい密はうんざりだった。。 女性職員の場合は和やかな雰囲気に包まれることが多いが、男性職員の場合は明らかに空気が違ってくる。都筑だっていい加減いい大人なんだからと思いつつも、あまりにも無防備だとさすがに放ってはおけなくて・・・。 「ねえ、なんだよ?」 「・・・・分かんないなら、いい バーカ」 「ったく、なんだよ;;;」 ふて腐れながらも、帰りの準備を始める様子だ。 「結構な数だよね〜」 脇に置いてあった紙袋を抱え上げて机の上に置く。 「良かったな、食べ放題だって言いたいが、計画的に食べろよ」 「分かっているよ。それにこれから巽んちだし」 「巽さんのとこに行くのか?」 週の半ばだ珍しい。 「うん 来いって言われているしね」 バレンタインはいつもそうなんだよ?と事も無げに都筑は答えた。 「へえ・・・・何で?」 「う〜ん・・・チョコを預けているっていうかなんて言うか」 「預けてるのか?」 「なんかね、貰った物を巽が見て、そのままおやつにするのとケーキの材料とかにするのと分けたりとか・・・・とにかく最近ずっと巽がチェックするんだよ」 「へえ・・・・」 それって・・・やった奴の名前とかチェックしてんじゃないのか?と言いそうになったがやめた。どうだろうとあまり自分には関係ない。 何にしろ面倒なことには関わらない・・・それが一番だった。 いつも関わってろくな目にあわない人を見ているから余計そう思う密だった。 教訓 巽と都筑の間にはよほどの事がない限り、首を突っ込まない ここに来てそれなりになる密の座右の銘だった(笑)。 to be continues・・・・ |
無駄に長く説明臭い回になってしまった;;;
まだまだ本調子には遠いようです
(本調子も似たものだと・・・・大汗)
とにかく密が一日ガードしていた・・・というお話(笑)
で、全然そういう裏事情に気付かないままに
チョコを貰って純真に喜ぶ都筑さんは可愛いだろうな
・・・・と言う話(え?そうなの?)
次こそは巽都だ!(笑)
2006/2/17
Mai Hinase