初秋


「ほら・・・・いい加減に返しなさい」

いつもより優しい声 ちょっと疲れた感じがたまらない

「いいじゃん・・・終わったからってすぐかけなくてもさ・・・・」

行為の始まりに俺がとった眼鏡 手を伸ばして向こうに押しやる

「・・・・仕事が山積みなんですよ」

そう言いながら ふうっと溜息をついて額の上に手の甲を置く

「でもさあ・・・・こうなんていうの・・・・雰囲気とか大切だよ?」

その言葉に巽の顔がこちらを向く

「雰囲気を言うなら まず最初にこんな所で・・・でしょう?」

「うっ・・・それはそうだけど」

俺は部屋を見回す

近くにあるのは課長の机

そして向こうにあるのは巽の机

上に積まれているのは書類やら本やら・・・

いつもの机を思えば 仕事が押しているのは本当らしい

休日返上で呼び出された職場で始まった行為

誘ったのは俺

でもそれにのってきたのは巽・・・・


「あの書類の半分以上はあなたのですからね」

俺の視線の先をとらえて巽が言った

「・・・・マジ?」

「マジです そもそも今日はそれを片づけようと呼び出したのに・・・・」

この有様だ

「スキモノだよね 巽も・・・痛っ!」

言い終わると同時にはたかれる

「あんたに言われたくないですよ!」

「ええ? でも結果的にこうなったら・・・」

「事故のようなものです」

「あ 酷いよ!それ!!」

ムッとして言うと くすっと笑われて抱き寄せられた



叩かれたり 文句を言われたり 抱かれたり・・・・

俺って大変



ぽてっと 巽の胸に頭をのせた

汗ばんだ熱が頬にあたる

髪を梳く指が時々耳にあたる



少しだけ目を瞑って・・・そして開ける

窓が高い位置に見えた

「まだまだ暑いね」

「そうですね」

掠れた声 そして上下する胸・・・何かを確かめるようにそっと手をのせる




この地でも四季は巡り 時計は時を刻む

滑稽だ

俺達は時を止めているというのに・・・・

いつまでも変わらない肉体を与えられ

乖離しそうになる心を持てあましているというのに




「巽・・・」

「なんですか?」

「今日泊まらせてくれる?」

ばっと上半身を起こし顔を見ると いつのまにか眼鏡をかけていた

手の届かないところにやっていたのに・・・

「・・・・」

少しの間 巽は黙った

すぐには返事をくれない いつもそうなんだ・・・

でも・・・

「・・・いいですよ」

最後には・・・・望む答えは貰える

「但し・・・」

机の方を見る

「あれを少しでも減らしてから・・・・だろ?」

分かってるよ・・・という風に言うと

眼鏡の奥の瞳が少しだけ笑った


うん・・・好きだ 巽 好きだよ

心の中で呟いて顔を寄せた

すぐに唇に温かい物が触れて・・・・そして吸われた

視界が入れ替わる

見上げた巽の顔 眼鏡をかけた顔

少し笑って 挑むように見返すと

手を伸ばして 再度眼鏡に手をかけてはずした


かけた意味ないじゃん・・・


そして今度はもっと遠くに・・・巽の手が届かないところに置いた

しばらくは要らない物だ



巽の頭を抱えながら目を瞑る

窓越しに夏の終わりを告げる蝉の声が聞こえた・・・・・





2005・9・1
Mai Hinase


・・・・突発的に書きたくなったので書きました

意味分かんない内容で申し訳ないです;;;

・・・・あんたら仕事終わらないよ?
とか
・・・・今日はそこでお泊まりですか?
という突っ込みは可です(笑)

なんとも気怠い都筑さんをたまに書きたくなるのです・・・・v