ミニミニ綴り・・・2v
| 12 『・・・岩城さん・・・』 微かな声に 意識が戻った 目を開けると 心配そうな顔が覗き込んでいた ああ・・・そうか 軽く瞬きをしながら苦笑した 庭で遊んでいた香藤が雨に濡れて 熱を出した もっとも本人は顔を真っ赤にしても 部屋を駆け回っていたが・・・ でも俺は慌てて無理矢理寝かせたのだった 体を拭き 汗を拭き でも連日の撮影疲れが出たのか 看病しているうちに寝てしまったようだ 『・・・ごめんね』 泣きそうな顔 「ん? 何を謝ってるんだ?」 『だって・・・岩城さんお仕事でつかれているの分かっていたのに・・・お休みが嬉しくて・・・』 調子に乗って・・・結果 熱を出した・・・・ 俯く香藤の背中を そっと撫でた 「バカだな・・・そんなことは謝ることじゃないぞ?」 『でも・・・』 「俺も楽しかったから おまえと久し振り遊べて」 『・・・本当?』 「ああ本当だ」 香藤がにこっと笑う その笑顔で疲れが消えていく 「さあ 夕食の用意をするか」 そう言うと 『うん!』 元気な声が返ってきた |
13 “2月14日はバレンタインデー” ”あなたの大切な人に・・・” 最近テレビで 雑誌で そして周りの人の話で覚えたこと でも今いちよく分からない よく分からないうちに14日になってしまった 清水さんに聞いてみた 『日本ではチョコレートを女性から男性に・・・ってなっていますね』 そう答えてくれた 『最近は大切な人に・・・ってことであまり拘らない人が増えてきたような』 ・・・そうか・・・そうなんだ そして清水さんは微笑んで 綺麗なピンクの紙に包まれたハートのチョコをくれた 小野塚にも聞いてみてやった 『ああ・・・バレンタインね』 そう言って ちょっとおかしそうに笑う 『何? おまえするの? まあ最近は割と自由だからいいんじゃない?』 『友達とかにもやったりするし』 そして鞄をゴソゴソ 『ほら やるよ』 小さな包み ちっちゃい赤いリボンがついてる 『いっぱい貰ったからさ お裾分け』 笑いながら頭をぐりぐりしてきた にらみつけたら もっと笑った 楽屋に戻ってきた岩城さん 2つのチョコを前に考え込んでいる俺 『どうした?・・・ああ 貰ったのか? モテモテだな』 そう言って笑う岩城さんの両手には紙袋 たくさんの たくさんの包み ・・・・もらったの? そう聞くと 苦笑して 『事務所の方に届いて・・・今持って来てくれたんだ』 ・・・やっぱり岩城さんは人気者で多くの人に好かれているんだ そう感じた 大好きな人がみんなに好かれているのは 嬉しい 嬉しいけど ・・・でも寂しい 不思議な気持ち この楽屋にもここで貰った多くの包みがあった 色とりどりの包みに 何となく自分がちっぽけな存在に思えて ちょっとだけ悲しくなった ちょっとだけだけど・・・ 『香藤?』 ぼんやりとした俺を心配した岩城さんが覗き込む ・・・なんでもないよ? そう答えたけど 岩城さんはじっと見つめてくる 俺は何となく下を向いてしまった すると 目の前に赤い綺麗な包みが置かれた 真っ赤な花が添えられていた これ・・・・チューリップ? 顔を上げると 岩城さんが微笑む 『おまえと出会った花と同じ色だ』 優しく頭を撫でてくれた チューリップから甘い香りがしたような気がした ありがとう 岩城さん 俺の大切な 大好きな岩城さん |