| 「あの子に金魚を掬ってあげて欲しいの」 残された我が子を想い成仏出来ず、それでもやっと都筑の説得を受け入れた母は、最期の願いを告げた。 お祭りの金魚掬いで、自身で採れない我が子の代わりに採ってあげると約束したのに、果たせなかったのだ。 その金魚がせめて、自分の代わりに子供を見守ってくれたら、と。 「もっ、もう少しで採れるからねっ」 夏祭りの夜。 仲良くなったその子に、沢山採ってあげると啖呵をきったのはいいが、現在二十戦二十敗。しくじっても一匹は貰えるとはいえ、このままでは格好がつかない。 「おじさん、もう一回!」 都筑が小銭を掴んだその時。 「あっ!採れた!」 横を向くと、その子が小さな器に、小さな金魚を一匹、入れたところだった。 「初めて掬ったよ、ぼく!」 誇らしげに胸を張る少年。都筑は離れた所にいる母親に、そっとウインクした。 「子供に負けんなよな、情けねえ」 「あはは・・・。お祭りの金魚って、すぐ死んじゃって儚いものなんだけど・・・それでも一つの命として、大事なものを残せるんだよね」 夏祭りの帰り、残業の巽の代わりに都筑に付き合ってやった密は、浴衣姿で俯く都筑の後姿の方が、金魚よりも儚く思えた。 「結局、俺の分もその子にあげたんだけど、一匹分けてくれたんだ―――・・・」 きっと、その金魚も長くは持たなかったろう。その時、都筑は何を思ったのだろうか・・・。 密は少し、切なくなった。 「あれから二十年・・・立派になったよ」 「・・・え?」 丁度通りかかった大きな池の辺で、都筑は立ち止まった。 ざざざざざざざざ・・・ざっぱーんんん!!! 「俺が通りかかると、いっつもこうしてあいさつしに来るんだv可愛いだろ」 都筑の愛情と、亘理の栄養剤を注がれて体長3メートルに達した金魚は、「ごぶさたv」と言わんばかりに水しぶきをあげて彼らを歓迎した。 |
広夢さんからいただきましたv
お祭りを楽しむ都筑さんです
で、それに付き合わされる密・・・・v
何だかんだ文句を言いながらも
密は都筑さんの面倒を見ちゃうんですよね(^^;)
切なさを漂わせながらの展開はお見事ですv
で、少し遅れるとは思いますが
この続編書かせて貰いますわ〜v