| 2人でいる空間 長く形のよい指がさらさらの黒髪を弄ぶ。その感触がくすぐったくて身を捩れば、 腰に回された腕にわずかに力が込められた。 巽と一緒にいる時はいつもの饒舌さが嘘のように2人とも言葉が少ない。 ただ優しい沈黙が自分達を包んでいることがわかるから。 出会ってこんな風になれるまで長い時間があって。その間に触れ合わなくとも互いのことを知る時間 はたくさんあった。 傷つけ合うこともあったけれど、言葉も数え切れないくらい交わした。 だから、なおさらかもしれない。 離れていた距離を埋めるように自然と手を伸ばした。 都筑がテレビを見ていると巽が隣にいて細い体を抱き寄せる。 巽が本を読んでいればいつの間にか都筑がその背中に寄り添っている。 「そろそろ昼食にしますか?」 「やだ」 「都筑さん……」 「もう少し……ね?」 そう上目遣いで言われれば断れない。 巽は苦笑しつつも立ちあがりかけた体を元の位置に戻した。 「でね、亘理が………」 「で?それからどうなったんだよ?」 興味ない素振りでもちゃんと聞いていてくれる。 密といる時は触れ合うよりも言葉を交わすコトのほうが多い。 まだ出会ってそんなに時間も経ってなくて、お互い知らないことも多いから。まずは言葉で距離を縮めようとする。 もっぱら、都筑が話して密が聞いていることが多いけれど。 ちゃんと返ってくる反応が嬉しい。 まるで沈黙を嫌うかのように話をする。 まだ沈黙を心地よく感じるほど、2人でいることに慣れないから。 「あ………」 少しだけ言葉が途切れた。絡まる視線に高鳴る胸。 ほんの少しだけ触れた手から相手の暖かさが伝わってくる。 でもそれだけじゃ足りない。 「好きだよ、密」 自分の気持ちもきちんと言葉で伝える。 「あぁ………俺も…………………好きだ」 視線を外しながらもちゃんと返してくれる言葉が嬉しい。 「うん……」 にっこりと満面の笑顔を浮かべればがうっすらと赤くなった頬に幸せが零れる。 「それでなんだよっ!」 「あのね………」 それでも触れた手はそのままで………。 巽との触れ合いも密との会話も自分にとって大切なコト 2人でいられる空間は幸せの詰まった場所 そう言えば、2人とも自分もだと笑ってくれた 大好きだよ……v いつもたくさんの気持ちをくれるから、自分も精一杯の笑顔と言葉で答えよう 2人とも本当に大好き 比べることもできないくらい大切な人達 ずっと一緒にいてね そう告げれば、嬉しそうな笑顔と唇が降りてきた |
| ★いつもお世話になっております、月宮 蒼様のサイトでの企画で、いただいたお話ですv 月宮様は都筑さんが可愛い女の子になっているお話や巽と密から愛されている素敵なお話を沢山書かれています。そのどれもが優しくて、何処か切なくて・・・でも幸せで・・・・読んでいると心が暖かくなる物ばかり。 都筑さんが大切にされているので、とても幸せなんですよ〜私。 どれも素敵なんですが、このお話も大好きだったので、いただきました。 巽は巽なりの・・・密は密なりの・・・優しい想いで都筑さんを包んでくれる・・・・とっても穏やかな空間がそこにはあります。 月宮様、本当にありがとうございました。大事にします。 |