静心
| ちりりん・・・・・ちりん・・・・ 風鈴が鳴る。 去年、2人で出かけた夏祭りで買い求めたもの。 色々鳴らしてみて あれがいいこれがいいと大騒ぎして・・・・ 結局2人とも音が気に入った物を買った。 そして 今年も出して、飾った。 ちりりん・・・・・ちりりん・・・・ 気持ちいい風が音を奏でる。 その音にふと膝の上の愛しい人を見る。 ・・・・よく寝てる・・・・ 普段あまり見られない寝顔に自然と頬が緩んでしまう。 「膝枕・・・いいですか?」 なんて・・・・真面目な顔して聞くから ちょっとおかしかったけど・・・・ ねえ、巽? 俺ね・・・・時々思うんだ。 もし もしもだよ? 俺達が普通の人間だった時にね 出会っていたら・・・・・と思うんだ。 こんな事言うと 時代が違うでしょう、とか言われてちゃいそうだから それにきっと呆れられちゃうから 言わないけどね。 もし普通に出会って 普通に恋をして 一緒に暮らして 年を重ねて ・・・・・年を重ねてだよ? ・・・・・そういうのってどんな感じなんだろうね。 そしてね いつか 自分の寿命が尽きる時に 側にいて 涙を流して・・・・・・ ・・・・我が儘を言えば 巽には俺よりも 1日でも1時間でも・・・・・1秒でも 長生きして欲しいんだけど・・・・ そういうのって どんな風なんだろうって 考えちゃうんだ ・・・・・変かな? ・・・・きっと変なんだろうね。 でもね こうやって夏の夜 風鈴の音しかしない夏の夜 妙に心が静かになって そんな事考えるんだよ? 今だって 一緒に過ごしているのにね。 ごめんね。 いつまでも こんな事考える俺でごめんね。 今だけだから 巽が目を開ける頃には きっと 微笑むから・・・・・・・・ きっと今が幸せだから こんな事考えるんだと思う。 巽 好き 大好き そっと髪を梳きながら 呟いた |
2003・7・27
M・Hinase