ふたり
しとしと降り続く雨 読みかけの雑誌を持ったままソファから立ち上がる気配 「よく降るね・・・」 読んでいた医学書から顔を上げる 「梅雨ですからね」 ガラス戸に手をついている恋人を見つめる こちらを振り向かない ふっと小さくため息をついて そしてまた目を本に戻した 「どこにも行けないね・・・」 また顔を上げる 本を閉じた 肩にそっと手を置く 白い首筋に口づけを落とすと ビクッと身体が震えた 「・・・・拗ねているんですか?」 耳に息を吹きかけるように甘くささやく 「拗ねてなんかっ・・・あっ・・・」 耳朶を口に含んだ 甘い・・・ 「や、やめろって・・・」 「あなたが誘ったのでしょう?」振り向かせる 「違いますか?」 俯いた顔を上げさせるとその瞳は既に情欲の色を浮かべている 「だって・・・俺が来てからずっと本ばっかり読んでるし・・・」 「久しぶりに・・・・会ったのに・・・・おまえはっ・・・んっ」 口づける・・・・細い腰を引き寄せながら・・・強く 深く 息苦しさに身じろぐ彼を もっと強く抱きしめる 「く、苦しい・・・よ 離して・・・」 ようやく離れた唇で 恋人は喘いだ 「離しませんよ・・・あなたも好きでしょう?」 そう囁くと また口づけを落とす 落ちる雑誌の音 シャツにしがみつく手から力が抜けていく ずるい人ですね・・・あなたは 私が今日までどれだけ我慢していたと思うのですか 此処に来て最初に雑誌を開いたのはあなたの方でしょう? いいでしょう どんなに私があなたを欲しているか 分からせてやりましょう 覚悟して下さいね 雨音さえもきこえないふたりの世界へ・・・・ |
★突発的に書いてしまったものです。あんまり雨が降るので・・・。