春の訪れ
目覚ましのベルが鳴り響く。 いつもならかけない休日の朝。 手を伸ばして時計のボタンを押した。 目を瞑って・・・・深呼吸して・・・・起きあがる。 寝つけなかったから少し瞼が重いけど気にしない。 だって今日は大切な日だから。 似合うと言ってくれた色のセーターを着て鏡の前に立つ。 いつもよりも少しだけ、ううんいつもよりもずっと幸せそうな自分がいた。 夢のようだと今でも思う。 信じられなくて、幻のように消えてしまうのかとあの日からずっと思っていた。 一度は手の届かない遠くへと離れた人。 自分には相応しくない人・・・・・そう思って過ごしていた。 それでも同じ時間を過ごせることで満足だったから 毎日顔を見られる事で充分幸せだったから それでもいいと思っていたのに・・・・・。 窓辺に置かれた小さな花は春を告げる花。 貴方の色ですね、と渡された時から少しだけ膨らんだ蕾は 幸せな季節を自分に知らせてくれているようで。 薄い紫の花が開く時、その時は2人でこの花を眺めたい。 きっとその願いは叶うよね。 突然鳴った電話の音に慌てて駆け寄る。 聞き慣れた声が受話器の向こうから響いてきた。 『おはよう。・・・・起きてたよ。・・・・・ホントだってば!』 モーニングコールのつもりでかけてきてくれたんだね。 『大丈夫、遅れないで行くから。』 小言の中にも感じる柔らかな声。 『うん、分かってる。』 子供じゃないんだから・・・・心配性だね。 『じゃあ、もう出るよ。うん・・・・またあとで。』 受話器を置きながら顔が緩んでしまう。 今から会えるのにね。 少しでも早く・・・・という気持ちが同じなのかな? 玄関からもう一度花を振り返る。 その花に想いを託した彼とその想いを受け止めた自分。 今度は迷わない。 「いってきます。」 その花に声をかけてドアを開けた。 暖かい空気が身体を包む。 春の香りが心を包んだ。 さあ、急ごう。 そしてあの胸に飛び込むんだ・・・・ありがとうって! 晴れた空を見上げて・・・・俺は駆け出した。 クロッカス・・・・・花言葉は「私を信じて」 春はすぐそこに。 |
2002・2・24
M・Hinase
| ★都筑さんお誕生企画「102」用に書いた巽都です。 花言葉シリーズでございます(^_^;)。 24日の花がクロッカスだったので、それをネタに・・・・。 2人の関係がこれからまた始まる・・・・そういった幸せを感じ取ってもらえると嬉しいです。 |