Sweet Birthday・・・・?



その後・・・・

「なあ、都筑どうしたん?」

「・・・・・」

それに答えず、巽は鍋に火をかける。家に来てからずっと繰り返されている問い。

「なあ、巽!」

「・・・・・うるさいですね!」

バンっとあぐらをかく亘理の前に、おつまみの入った器を置いた。

「寝てるんですよ!」

それだけ言うと、またキッチンに戻っていく。

そんなことは承知というばかりに、へらっと亘理が笑った。

「寝てるって・・・もう5時やで?いくらあいつでも夕方まで寝るって言うのは・・・」

「亘理さん!」

「あん?」

「お帰りになりますか?私としてはちっとも構いませんが?」

「いいや、俺は都筑を祝いに来たんやから帰らんよ。」

飄々と答えながらつまみを食べる様子に巽は溜息をつく。

「・・・・・・起こしてきましょう。そろそろ黒崎君もくるでしょうから。」

巽がエプロンをはずす。

「坊も来るんか?」

「こうなったら人数が多い方が、あの人も喜ぶでしょう。ちょうど時間があるって言っていたので、さっき連絡したんですよ。」

それじゃ適当にしていてください、と言い残して巽は奥の寝室へと向かった。






「こんにちは〜」

密は人影のないリビングに入ってきた。

ベルを鳴らしても応答が無く、仕方なく握ったノブを引いてみると鍵はかかってなかった。

キッチンを見ても巽も都筑もそして先に来ているはずの亘理の姿もない。

テーブルの上にはセッティングしかけの食器が並んでいる。

それを見ながら密は足を進めた。

「なっ・・・」

廊下に出た密は声を上げそうになって、慌てて口を押さえる。

ドアにへばりついている亘理がこちらを見て口の前に人差し指を立てる。

(なにしてるんですか)

密は何となく声を潜めて話しかけた。

(まあまあ)

密は亘理が耳に当てているものが聴診器のようなものであることに気づく。

(ちょっと亘理さん、何してるんですか、戻りましょう)

(後少し・・・な?な?)

(亘理さん!)

亘理はなおも耳をすまそうとしている。

(まったく・・・)

密は大きく息を吸い込む・・・・

「おじゃましまーす!」

「わ、馬鹿、坊!」

その声に慌てて亘理が振り向く。


・・・・・そして、ドアが開いた。






「さ、黒崎君、遠慮しないで食べてくださいね。」

料理を取り分けた巽が渡す小皿を受け取る。

向かいにはあくびを繰り返す都筑がいた。

「ありがとね、密。来てくれて嬉しいよ。」

「ああ。」

気怠そうに笑う都筑に答えながら、その向こうに見える塊に目がいってしまう。

「都筑さんもちゃんと食べなさい。ほら、こぼしているじゃないですか。」

「あ、ごめん。」

へへへっと笑う都筑に、仕方ないですね・・・と巽が呆れる。

密はその光景を見て・・・・・そしてまたその塊を見る。

「あの・・・・・」

「どうしました?」

「亘理さんが・・・・・・その・・・」

「心配ないですよ。」

その一言を言って巽も料理に手をつけた。

都筑は相変わらずぼろぼろこぼしながら巽に話しかけ食べ続けている。

密は言葉を続けようとした口を閉じる。

ま、なんとかなるんだろうし・・・・・自業自得というものもあるだろう。

なんとも妙な光景だが、今は目の前に並ぶ巽の料理を食べることの方が先決だ。

「じゃ、いただきます。」

「はい」

にっこり笑う巽と都筑を目の前に密は寿司を口の中に入れた。

新鮮なうにの味が広がった。






その夜巽達のマンションの前に大きな黒い塊が一晩中置かれていたという・・・・。

★わたりん・・・・・合掌・・・・・。
お粗末様でした。
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