| ひととき 時計がもうすぐ10時を指すという頃 ごく自然に巽はお茶の用意をしだす。 それは息をするかのように行われる動作。 もうそろそろ昼間でも冷たい風が吹いてくるようになった。 飲み物は温かいものがいいだろう。 ココアかカフェオレか珈琲か・・・・ お湯が沸く間、棚に並ぶ缶を見つめる。 今日のお茶菓子にする物とのバランスで考えないといけない。 各地区の担当者が任務の終了共に買って帰るお茶菓子は 表向きは課長へのお土産と称しながらも そのほとんどが彼の胃袋に入ることになっている。 きちんと整理された菓子箱を眺めながらその一つ一つの在庫とローテーションを考える。 昨日はマドレーヌだったから今日は和風で・・・・ お茶菓子が決まれば飲み物も決まる。 後は美味しく出すだけだ。 後5分もすればあの扉が開く。 その時の彼の表情を思い浮かべる。 何を出しても幸せそうに食べる様子は自分の気持ちをもなごませていく。 心をすり減らして仕事をしている人だから 痛みを隠す人だから せめて此処でお茶が出来る時にはその心をくつろがせてあげたい。 それが例え自己満足でも 貴方が笑って その笑顔が見られるのであれば それでいい。 接待用のテーブルにお茶の用意が整う。 トントン・・・ 10時きっかりに響くノックの音。 「どうぞ」 開かれたドアからひょっこり覗かせた顔を見て微笑む。 「おじゃましまーす」 いそいそとソファに座り込む彼の湯のみにお茶を注ぐ。 「わ、今日は最中だね!」 「お茶が少し熱いですから、気をつけてくださいね。」 ・・・・今日もこのひとときが迎えられることに感謝します・・・・ 美味しそうにお菓子を頬張る都筑の向かいに座りながら 暖かい湯飲みを手に巽は心の中でそっと呟いた。 |
2001・10・30
M・Hinase
| ★さて、この巽をただの甘やかしに取るかどうかは貴方次第・・・・ということで、 いつものバカップルは小休止(^_^;)。 ちょっぴりセンチな感じでどうでしょう(センチって何・・・・!)。 久しぶりにショートで書いてみました。 元々こういうのが並ぶはずだった部屋なのに・・・・おかしいなあ〜 いつからバカップル路線になったのか・・・・うーむ。 |