寝顔
いつものようにノックをしようと思ったけど
何となく・・・何となく・・・どうしてそうしたのか分からないけれど
そっとドアを開けてみた
音もなく開いたドアからそっと中を覗き込むと
机に向かう巽が見えた
でも・・・・・何となく様子が変なので
声をかけないままに近づいた
・・・・わあ・・・・・
やっぱりだ
寝てる! 寝てるよ!
途端にわくわくしてきた
だって巽の寝顔って滅多に見られないんだよ?
いっつも俺よりも早く起きて
夜も俺の方が先に寝ちゃって・・・
俺ばっかり寝顔見られて悔しいなあ〜と思っていたから嬉しい
少し強めの風が入って来そうだったので窓を少し閉めた
そっと回り込んで巽の手から万年筆を取る
大丈夫・・・まだ起きない・・・・
静かな寝息を聴きながら微笑んだ
心が温かくなるね
本当は眼鏡も取ってあげたいけど
流石にそれは起きちゃうからね、我慢、我慢
足音に気をつけて俺は真っ正面のソファに座った
もう少しだけ巽の寝顔を見たくて・・・
気づかれたらもう2度と居眠りなんかしなくなるかも知れないけど
たぶん大丈夫・・・・だよね?
今だけ今だけ独占させて・・・
かすかな風が巽の髪を撫でていく
何か幸せだね
そして
こんなに心穏やかになれること
「ありがと」
そう伝えたい
時々揺れる上半身を俺はずっと見つめていた
梅雨の晴れ間の昼下がり
机の上で揺れる紫陽花と俺しか知らない一場面
★ちょっとした綴り物ですv
