で、どうするの?



「あ、そうだ!」
都筑は巽の胸に寄せていた顔を上げる。
「どうしました?」
ちょっぴり汗ばんだ額に前髪が張り付いて・・・そんな巽はすごく色気がある。
「巽・・・・さっき自分がペイントしてやるのに・・・って。」
「ああ、そのことですか。」
ばつが悪そうに言う巽に都筑は微笑む。
「巽、好きなのサッカー?」
「特別に、ということはないですけど、こんなに盛り上がっているとね。」
気になるじゃないですか、と言う。
「私の方こそ、あなたが興味があるなんて知らなかったですよ。家じゃテレビも見てなかったじゃないですか。」
「え? だって巽・・・・嫌いかなとか思って・・・」
「我慢してたんですか?」
「我慢って言うほどじゃないよ。俺だって特に好きって言う訳じゃないし。でもほら、段々盛り上がりが凄くなってきて・・・自分でも知らないうちに引き込まれちゃったんだ。」
「お祭り好きですからねえ〜。でもそうならそうと一言言ってくれれば良かったんですよ。」
「え? 職場でテレビ観戦でもさせてくれたの?」
「誰が! そんなの亘理さんや寺杣さんを喜ばせるだけでしょう。」
「じゃあ・・・」
「まあ私も日本が頑張っているのは見ていて嬉しいですからね、あなたが見たいっていうのなら生で試合を見に行きますよ。」
その言葉に都筑はガバッと起きあがる。
「えっ、巽、チケット持ってるの?」
「いいえ。」
あっさりと否定してくる巽に都筑は首を傾げる。
「見に行けるじゃないですか、私達。」
「は?」
「それこそ特等席で見られますよ。」
ふふんと笑う巽をしばらく見つめて・・・・都筑は声をあげる。
「それって、まさか・・・・霊体で!?」
にっこり笑う巽に、もはや笑うしかない都筑。
「選手の隣で見られますよ、ええ。盛り上がるでしょうねえ。」
「たつみ・・・・」
「出来ればサインももらっておきたいぐらいですが・・・・流石にそれは無理でしょうねえ。」
「・・・・・」
「おや? どうしました?」
「いや・・・・別に・・・・。」
ぼすっとベッドに顔を付けた都筑は、くぐもった声を出す。
「・・・・まさかと思うけど、巽、今までそんな風にして色々見ていたなんて事・・・」
「な、何言ってるんですか、アンタ。」
あからさまに慌てる巽を、じーっと見る。
「してませんよ、そんな狡いこと。」
「本当かなあ〜。」
「信用ないですね・・・そんな人には・・・。」
「わっ、な、何してるんだよ! あーこらっ! 誤魔化すなよ〜たつみ・・・・・!」
「今度の日本戦、行きたくないんですか? え?」
「だって・・・・それっ、狡い・・・あっ、やめろって!」
「やっ・・・」
「おや? もうしゃべれなくなったんですか?」
息が上がってきた都筑は、いつの間にか組み敷かれて・・・・。
「ちょっと・・・・もう、やめっ・・・・ああっ。」
「ほら、都筑さん?」
「・・・・おまえ性格、わる・・・っ。」
下から見上げる都筑にキスを落としながら、巽はくすっと笑った。
「悪くて結構ですよ・・・・あなたにだけですから。」


どうやら今度の日本戦の日は休みを取ることになりそうだ・・・・。

2002・6・17
M・Hinase

★・・・・・・やっていると思います、こいつ(笑)。
巽っていざ試合事になると(特に国がらみ・・・・そういう世代だし;)結構熱くなる方かも・・・・?
ベンチに行くな、絶対!