「はあああ〜疲れた・・・・」

風呂上がりソファーに座り込んだ都筑は天井を仰いだ。

「今何時だよ・・・・げっ、9時!」

背後からの声にグラスを出しながら振り返る。

「これぐらいで終わったのが奇跡のように思えますよ」

「・・・・・だってやらないと、今夜食事抜きとか言うんだもん!」

「ああでも言わないとしないでしょう、あなたは」

「・・・・もう目がちかちかするよ」

「普段怠けてるからですよ」

「むうう」

「唸ってばっかりいないで・・・」

タオルを片手に都筑に近づく。

「髪がまだ濡れてるじゃないですか」

わしゃわしゃと拭くと気持ちよさそうに目を瞑っている。

こういう時は大型犬の世話をしている気分になる。



「でもまあ、がんばりましたね」

一応褒めておこう。

まったく出来ないのではない。

やろうとしないだけ・・・・それはわかっている。

何がそうさせているかも知っている。

でもそんな深い話は今はしない。




「明日も仕事かあ〜」

嫌そうに呟く都筑に苦笑した。

「今年は週半ばですからね・・・・ゆっくりというわけにはいきませんね」

「ん・・・・でも巽の料理が食べられるから嬉しいよ、それだけでもじゅうぶんかな」

「おや、可愛いことを言いますね」

「本当だよ、いつも思ってるもん!」

「はいはい、ほらちょっと下を向いて」

「ん・・・」

大人しく下を向いた都筑の髪をそっとタオルで挟んだ。

きめの細かい柔らかな髪だ。

触るととても気持ちの良い髪だった。



そっと屈んで髪とうなじの境に唇を落とした。

なぜかそうしたかった・・・・

「ひゃあ!」

予想外の感触に都筑が変な声をあげてしまう。

「た、巽?」

「びっくりしました?」

「したよ、何、突然・・・」

「いえ、ちょっとそう言う気分に」

その言葉に都筑が慌てる。その様子が面白い。

「あ、ほら・・・料理がね・・・時間も遅いし、お腹減って・・・あの・・・あれ?」

とん、と都筑をソファの上に倒してしまう・・・簡単だ。

「た、巽・・・!!」

「ご褒美です」

「え? だから、それは料理で・・・・って、わっ、何処触って・・・・!!」

すっと撫でるとビクッとするのが楽しくて何度か繰り返すと潤んだ目で睨み付けてきた。

「・・・・・・せ、責任取れよ・・・・」

小さく呟いた声はそっと吸い込んで・・・・

「勿論です・・・」

ニッコリ微笑むとキスを落とした。

包み込むぬくもりは自分だけのもの・・・

どれだけ確かめても足りない程に・・・・






クリスマスイブ

美味しい料理を食べるのはいつのこと・・・・・?