花畑



それはけして大きくない花壇

仲間内では『玄関の花畑』って呼ばれている

そのまんまの名前なんだけど・・・

玄関脇に作られている花壇





植えられている花の種類もそう多くはない

でも

何故か皆、ここを通る時立ち止まってしまう

風に揺れる花を見てしまう



私もそう

いつもここに立ち止まってしまう

綺麗な色合いの花々に目を奪われてしまう

すると不思議・・・

嫌なことがあった時は慰めてくれるようで

嬉しいことがあった時は一緒に喜んでくれるようで

・・・・きっと皆もそうなんだ

だからここで立ち止まってしまうんだ




「こんにちは」

後ろから声をかけられて驚いて振り向いた

「あ、驚かせちゃった? ごめんね」

その人はふんわり笑った

手にバケツとスコップを持って・・・



かがんで花の香りを楽しんでいる姿

それはまるで親が子を慈しんでいるかのような優しい光景で

夕日に染まる花壇に目が釘付けになった



ああ、そうなんだ・・・

だからここの花がみんな心を捉えるんだ

そう思った



だからみんな・・・・恋をするんだと・・・





そこはみんなが好きな場所

いつの間にか立ち止まってしまう場所



小さな小さな花畑




2003・11・1
M・Hinase

☆庁のお花・・・v