密かに



巽のこと?

う〜ん つきあいは長いよ

もうどれくらいなるのかな・・・・


そうそう 食べるものはほとんど作ってしまう

料理は得意だよ

ああ見えてもお菓子も作っちゃうし


勿論色々と忙しい身だから野菜とは作ったりしないけど

それでも新鮮な野菜を格安の朝市で買ってきては

あれやこれやと作っている

まあ・・・・節約っていうのが一番の理由なんだろうけど

きっと巽って色んなモノに手をかけるのが好きなんだよね

たぶん・・・




文句は言うし

時々持っているファイルや書類で叩くけど

残業も人一倍やっているし

人に言うだけあって自分の仕事は完璧だし

ホント 凄いよね

俺にもさ

凄い剣幕で怒ったりするけど

結局は全部引き受けてくれてやってくれる

それも完璧に

おかげで今まで余り他の課から直接文句も言われたこと無いんだ



少し前に亘理が言ったことを思い出すよ

巽は面倒を見るのが好き・・・・らしいって

それもわりとやっかいなモノに手を出す傾向があるって

・・・・やっかいな・・・・って俺?

ちょっと・・・むっ・・・



でも・・・・まあそうかも

そう思ってみてみると文句言いつつも生き生きしてるもんね

本人は良く暇が欲しいとか言っているけど あれはどうだろう

たぶん巽から今のごちゃごちゃ事を取り上げたら一気に呆けちゃうかも・・・

わああ〜それはまずい まずいよ

巽がここの課を支えているんだもん

面倒なことが生き甲斐なんだよ

絶対!



・・・・・ということで 俺はこれからも面倒をかけていくことにします









巽は全身から力が抜けていくように感じた




昼休み
都筑の机の上から風で落ちた紙
それを取り上げて戻そうとした時に書き殴られた文字が目に入った


どうやら庁内で新聞を作る動きがあってそれの記事の1つのようだ
紙をひっくり返すと
『閻魔庁の敏腕秘書 巽征一郎の全てに迫る』
という企画名があった


・・・・秘密裏にこんな事を進めていたんですね・・・



巽は手にした紙をくしゃっと握りしめた
そして誰もいない部屋を見渡す
おそらく・・・こんな紙を渡されたのは都筑だけじゃないはずだ

「どうしてくれましょうか」
自然に口元が歪んでしまう


都筑は勿論のこと
(この文の書き方は全然なっていない! 少しは年相応の文を書くようにと言ってあるのに・・・)


そして
この企画自体を思いついた者にもちょっと言い聞かさなければならない
そもそもの企画自体がとんでもないものだ



そんなこんなと考えていた時
廊下の向こうから脳天気な歌が聞こえてきた
亘理だ

巽は微笑む

・・・・まずはこの人からですね・・・

その笑顔は何にもまして怖かった

やがて・・・・・・巽の周りが揺らいだ



もうすぐ扉が開く

獲物が近づくその瞬間を待っていた・・・・



2003・11・7
M・Hinase

☆・・・・もしかしてホラー?(笑)