| 7月○日 月曜日 晴れ |
| 案の定、都筑が遅刻した。 腰をさすりながら部屋へ入ってきた。バツが悪そうに笑いかけてくるのが何とも言えない。 「腰が痛いのか?」 と聞いたら、 「ちょっとね・・・」 と、笑っていたが、あれはちょっとね・・・・という痛みではないと思う。 1時間の遅刻だったが、課長室に呼ばれることもなく巽さんの小言もない。 理由がよく分かる光景だったと思う。 いつものことだ、もう慣れた。それよりも俺は異常に眠い。 仕事中だからと我慢していたけれど、目の前で繰り広げられる会話につき合うぐらいなら、ホケカンに行っても誰も俺を責めることは出来ないのではないだろうかと思う。 そう思って席を立った。 特に何も呼び止められることがないままに、部屋を出ることが出来た。 今日は自分の行動の反省からか、異様に巽さんが静かだ。 でもそんなことはどうでもいい、とにかく眠い。 夜更かしして本を読むことを控えようと思う。 黒崎 密 |
| 7月○日 月曜日 天気は外に出てないので知りましぇーん |
| 月曜日から何とも言えない空気を漂わせるのはどうかと思う。 俺は慣れているが、うっかり部屋に入ってきた他の課の者なんか一瞬固まっとたで? 気付いとるんか? 分かっててやってたら嫌やなあ(>_<)。 聞こえんかと思って話しよるねん・・・・丸聞こえや!っちゅうねん! 聞こえたところだけ一部紹介! 「・・・・大丈夫ですか?」 「・・・うん・・・・少し痛い・・・・だるいよ」 「すみません・・・・つい無理を・・・」(どんな無理?) 「ホントだよ・・・巽ったら時々激しいんだもん」(・・・・そうかあ・・・) 「・・・・反省しています」(・・・・してないな) 「ホント?」(出た! 上目遣いや!) 「・・・・はい」(こいつこれに弱いねん!) 「じゃあ・・・・」(と、ここで耳打ちしよるし!) ・・・・・・・・なあ、すごいやろ? って、あ、これ見るの巽やったわ〜〜(^^ゞ・・・・! By わたりん |
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| 7月○日 火曜日 また晴れ |
| 今朝は都筑は定刻通り来た、驚きだ。 「すごいだろう!」 っと威張っていたが、社会人として遅刻しないのは当然ではないのか? そう言い返そうと思ったが、その言葉で巽さんが 「えらいですね」 って答えていたのでやめた・・・・・・・・。 溜まっている書類を渡すと 「えー!」 とか、言いやがる! 「いいからやれ!」 と言ったら 「こんなの昔過ぎて覚えていないよ〜密の見して」 ・・・・・・・・・これは宿題か!? そのままにしていてもちっとも進まないので、仕方ないから前のファイルを渡す。渡す前に思いっきりこれで頭を叩いたことは内緒です。 言っておきますが、2週間前の仕事の内容です、巽さん。 こいつの鳥頭はホンモノです。 俺たちって冥府でもエリートではないのですか? 俺はそう聞きました・・・・・・でもこいつを見ているとそう思えません。 もしかしてここは窓際族の集まりとか言いませんよね? By 黒崎 密 |
| 7月○日 月曜日の次 晴れてんじゃないの? |
| 坊からの質問や。 「此処、召還課はエリートの集まりではなかったのか?」 ・・・・・・・痛い質問やな、なあ巽。 だから俺は答えた・・・ 「坊、それは幻想や・・・・少なくとも都筑がいる限りそれは諦めんと・・・・エリートって言われるんは閻魔サマの直属っていうことだけや」 な、良い答えやろ? これが良いと思ったら、何かくれ! お前の手作り菓子でもええわ。 まあ朝からええ年をした男のネクタイを、これまたいい年の男が結び直したりするような奇異な光景が見られる所がエリートな訳、ないわな(^○^)。 ましてや口元に付いたご飯粒とってやるんやで? もうびっくり! 俺も都筑好きやけど、こんな事出来んわ〜恥ずかしくって! すごいですねえ〜やはりここまでやれんと人を好きになってはいけないような気が・・・・・・いやあ、お2人には教えられることがいっぱいですわ〜。 By 謎の科学者(なんちって) |
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| 7月○日 水曜日 曇り |
| 今目の前に 『都筑特製 アップルパイ』 があるんですが・・・・・・何の冗談でしょうか。 ・・・・・どうしろと? 「なんだこれは・・・」 と聞けば 「なんかリクエストがあったからって・・・・密も欲しいかもって思ってv」 と言うので、先ほど殴りました。 今そこで転がっています。 俺は悪くないですよね、巽さん! By 黒崎 密 |
| 7月○日 水曜日 天気なんか知らんわ! |
| ・・・・・・・何これ? 今都筑が持って来たんやけど・・・・ 「亘理も食べたいって言ってたっていうから、俺頑張っちゃった!」 とか思いっきり笑顔で言われて、目の前に置かれたんですが・・・ 巽・・・・・おまえは! 何考えとんねん! 俺はお前の手作りって言ったやないか! それをあんな笑顔付きで言われて、どないすんねん・・・・研究室まで持ってきて、俺に食べささすために、今珈琲まで入れよるがな・・・・・;;; わあ、むっちゃ幸せそう・・・・・ 香りはいい! これだけでお腹いっぱいになるええ、香りや!・・・・・・・・・・・ 今目の前にご丁寧に切り分けておいてくれました。 わたりん、涙が出てきました・・・・ああ思えば、心残りの多い人生でした・・・・・ たつみぃ・・・・・覚えとけや! By 風前の灯火のわたりん |
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| 7月○日 木曜日 曇りのち雨 |
| 今日は亘理さんがお休みです。 昨日の午後、庁内に響き渡る叫び声聞こえ・・・・・その後慌てて都筑が飛び込んできました。 どうやらアレを食べたようです。 ・・・・・・見事です、亘理さん。 俺は都筑が席を外している間に、処分させて貰いました・・・・・見た目は普通のなので、とても心が痛みます。 でも命が惜しいので・・・・・・・で、なんで俺まで配るんでしょうか、巽さん! 亘理さんだけで良いのではないですか? 俺も食べたがっているとか都筑に言ったそうですね・・・・・ふっ。 昨日自分の作った物が人を危機に追いやる事を目の前で見ておきながら、何故こいつは何も気付かずに、今日も元気に出てきているんでしょうか。 それに 「あれ? 亘理、今日休み? ちぇーいいなあ」 などど言っていました。 アレは鈍感なのでしょうか、それとも自分に都合の悪い物は見えないのでしょうか。 俺は次から次へと出てくる質問にいっぱいいっぱいです。 頭が痛くなってきたので早退したいと思います。 亘理さんの様子見に行こ・・・・・。 By 黒崎 密 |
| 7月○日 木曜日 ・・・・・ |
| (記入がありません・・・・) |
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| 7月○日 金曜日 雨 |
| 今日はこれの提出日なので出したらさっさと帰りたいと思います。 さっき一緒におやつに読んでくれたことは大変嬉しかったし、出された巽さん特製のお菓子は大変美味しいですが、俺は一刻も早く立ち上がりたくて、うずうずしていました。 ・・・・・・・なんでそんなに見せつけるんですか? がつがつと口の周りにいっぱいつけながらケーキを丸かじりする都筑も都筑だと思いますが、それを温かく見つめる目と、さっと自然に口元のクリームをすくい取る指先を見た瞬間、俺は固まりました。 頼みますから・・・・・2人っきりの時やってください、巽さん。 それは俺への牽制ですか?・・・・・・・・なら安心してください、俺こいつの生活の世話なんてしたくないです。仕事のパートナーで充分ですから・・・・・。 ケーキはお言葉に甘えて貰って帰ります。 今晩のデザートです。 ・・・・・・・来週もこれ書かないといけませんか? By 黒崎 密 |
| 7月○日 金曜日 知らんって言ってるやろ! |
| ・・・・・・・巽! ふふふ、俺はやったで! だてに昨日くたばっていたわけやない! 彼岸を見たぞ・・・・・もう死んでるけど。もう1回見てしもうたわ! あの味、お前どうにか指導せえ! まあ、もうええけどね〜。言っても仕方ないし・・・・・・。 いつもこうやって虐げられている可愛そうな俺やけど・・・・・このわたりんに不可能はない! ああ、こう書いていても笑いがとまらんわ! 何をやったか? どうせすぐ見つかるし、もう欲しいもんは手に入れたから教えてやってもええよ? 机の下見てみい〜v おまえら昨日坊がおやつの途中出て行った後、鍵かけて盛り上がってたやろ! ふふ〜ん、お見通しや! ざまーみそらせ! しっかり録音や! 出来れば画像も欲しかったところやけど、まあ声だけの方が盛り上がるっちゅうもんやろヘ(^^ヘ)(ノ^^)ノ。 俺が休みやったから油断したやろ〜! へへーん! 一部書き起こしてやろうか・・・・? 都筑:「ちょっと・・・こんなところで・・・やだよ・・・」 おまえ:「大丈夫ですよ・・・・鍵は閉めましたからv」 都筑:「でも・・・・・あっ、やだ・・・・・・たつみぃ・・・・」 おまえ:「ほら・・・もうこんなにして・・・・さ、我慢しないで・・・・ね?」 都筑:「あ、そこ・・・・・もう・・・・」 おまえ:「もう?・・・・・もう少し我慢しなさい・・・・・さ、ほらあなたも・・・」 都筑:「巽の・・・・・熱い」 おまえ:「ほら・・・・私もこんなにあなたを欲しがっています・・・・だから・・・」 ・・・・だから? だからなんやねん! ホントにおまえは、涼しい顔してエロイなあ。 どうや? ええやろ〜今からこれ売りさばいちゃる! 売れるで〜がっぽりや〜! By ほなな〜! 天才科学者 わたりん |
ぱたん・・・・・巽はノートを閉じた。
おもむろに机の下に手を伸ばし、触れた小さな箱をむしり取った。
「これですか・・・・・良い根性です、亘理さん」
ふふふっと、巽が笑った。
このごろの職員の怠慢が目立つために生活ノートなる物を配布した結果がこれだ。
この2人以外の職員の物も傍らに積み上げているが、たぶんどれも内容が同じだろう。
ノートを配った時に
『夏休みの友みたいだ!』
とか
『学生じゃあるまいし!』
とか
『プライベートまで束縛するな!』
とか声は挙がっていたが
どうやら・・・・・このノートはいつの間にか
【巽と都筑の観察日記】
となっていたようだ。
正直、密のノートまでこんな風になっているとは思わなかった。
たぶん発案は・・・・・。
「へ? どうしたの?」
クッキーを頬張りながら、都筑が顔を上げる。
「いえ、何でも・・・・・今から私はちょっと出てきます。2時間ほどで戻ると思いますので、待っていて下さいね」
「今夜も夕食・・・・・いいの?」
「ええ、あなたの好きな物沢山作ってあげますよ」
「ありがと、巽」
にっこり笑う都筑の額にキスを落とす。
「それでは行ってきます。どうやら大きな鼠が出たようですので駆除に行ってこなければ・・・」
「鼠? ・・・大変だねえ、それも巽の仕事なの?」
「ええ、今回ばかりは特別で私の影の力が必要のようです・・・・ふふふ」
なんとなく笑った顔が恐くて都筑もつられて笑った。
「気をつけてね・・・・」
「はい。私は大丈夫です。あなたは此処で大人しく待っていてください。冷蔵庫に葛まんじゅうも置いていますから」
「うん、貰う!」
それでは・・・・・と巽は後ろ手にドアを閉めた。
「さて・・・・・どう調理してやりましょうかね」
悪魔のように微笑んだ巽が影を発動した・・・・・・
やがて
庁内の各所で大きな音と叫び声が聞こえ
そして・・・・・1時間後には静寂が訪れたという・・・・・。
2003・7・22
M・Hinase