「岩城さん。俺の誕生日は6月9日だって♪♪もうすぐみたい?」

車の中でうれしそうに自由帳(スケジュール帳らしい)を開きながら、小さな香藤が言い出した。

自分がみつけた日だとばかり思っていたのだが…考えてみればもう生まれてはいたんだよな?

でも6月というのは・・・???


「誰が言ったんだ?そんな事」

「か〜え〜る〜のおぉ〜さま〜」

「カエルの王様??」

「お〜の〜づ〜か〜がそう言った」

「ぷっ!こらっ小野塚くんに失礼だろ」

「いいんだよ。カエルで」

世間では小野塚くん王子なんて言われてるのに…

「あっモグラもそれでいいんじゃんって言ってた」

「モグラってもしかして・・・宮坂くん?」

「そう!みやさかぁ〜」

「アハハハ。それで、なんで6月9日なんだ?」

「知らな〜い。なんでだろ?」

「なんだ。聞いてないのか?それじゃ明日にでも聞いてみるか」

「えぇ〜。また明日も一緒なの?」

って声だけは低くしているけれど、まんざらでもなさそうな香藤。

2人とは案外、楽しくやっているらしい。



そして翌日のスタジオ。

「あっ小野塚くん。宮坂くん」

「おはようございます。岩城さん」

「昨日、香藤が突然、誕生日は6月9日だって言い出したんだが」

「ああ。それなら俺達が決めてやったんですよ」

「ほらっ。この間、現場で誕生日の子のお祝いしたじゃないですか。いいなぁ〜って言うから」

「そうなのか。それで、なんで6月9日なんだ?」

「えっ岩城さん。子供の前で言ってもいいんですか?」

「俺達は別にかまいませんけど・・・」

ニヤニヤしながらポケットから顔を出す香藤を突付く。

まだ起きたばかりなのでボーとしている。


「あっえっと。それって・・・」

「ああ。岩城さん。赤くなってる。何を考えてるんだか…」

「そうですよ。俺達な〜んにも言ってませんけど(笑)」

「まったく。大人をからかうんじゃない。それでなんなんだ?」

「ピュアだからですかね」

「無垢(ムク)ってことで。6月9日がいいんじゃないかって」

「こいつにピッタリでしょ」

そしてまた突付く。

やっと目覚めたらしい香藤はイ〜って顔をしながら、その指をはじいた。


「何?岩城さん。なんの話?」

「いや。6月9日の香藤の誕生日はどんなパーティーをしようかって」


うれしそうな香藤。

6月9日。元気で小さな香藤の誕生日になった日。


H19.6.6 by 千尋




最後の一文にすごく心が温められます・・・・
岩城さんの中での親指香藤くんの大きさが分かる瞬間v
素敵な素敵な誕生日になった事でしょう・・・
千尋さん、可愛いお話ありがとうございます
しかし・・・王子と宮さんをそんな風に呼ぶなんて・・・親指香藤くんってば(笑)