Midnight



シンと寝静まった血盟城の執務室で、
今夜も私の夜なべ仕事が続く。
マ王が地球に戻ってから、書類はたまる一方。
憎々しいアニシナから教わったT蔵の編みぐるみにも、
手をつけられない状態が1週間も続いている。

こんな夜はあの男の気配を思い出す。
深夜の執務室で、私の足元にひざまづいて、
臣下の礼を尽くしたあと、私を抱きしめた男。
逢引きを約束したわけでもないのに、
窓辺の月の光の中にあの男の姿を探す自分がいる。

長い外勤から帰国は、
今日の午後のダカスコスからの報告にあった。
わが国を取り巻く諸国の思惑を、
そつなく情報収集してくる優秀な部下。
中庭を見下ろすと、コンラートと剣を交わす姿があった。

帰国したばかりの夜だ。
疲れもたまっているだろう。
私自身、こんなに書類に囲まれているのだから、
そんな暇はありはしないと命じる頭とは裏腹に、
「いつまで待たせるのだ。早く来い」と、心がつぶやく。

上がってこい、この執務室まで。
そして、深くこうべを垂れたあとで、
再び私を屈服させることができるかどうかやってみせるのだ。
いつものお前に似つかわしくない、
余裕のない瞳をもう一度私に見せてくれ。

2005.10.29 ゆみ




きゃあ〜お庭番と長男ですわね!(^o^)
なんともいえない雰囲気が漂っていて・・・素敵ですv
「こうべを垂れたあとで・・・」のところがドキドキしますvvvv
ゆみさん、素敵なお話ありがとうございます〜v
大切にしますね!