●日記で垂れ流した(笑)ミニSSの保管所(主に不二跡 それぞれ独立もの)●



「跡部ってさ」

ふいにかけられた声に目を開けた。

見慣れた部屋が浮かび上がる。

とりあえず物が判別出来るくらいの明るさ。

「上手くいってるのかな?」

「・・・・・」

最初何のこととを言っているのか分からなかった。

「何が・・・・?」

「君の恋人」

顔を向ければ 面白そうに笑っている。

その言葉に浮かんだ顔を目の奥で見つめながら不二を見た。

「・・・別に恋人じゃねえよ」

「まだ、そんなこと言ってるんだね」

「まだも何も・・・」

「だってこの前、僕すごい目で睨まれたよ」

・・・・気づいているのか・・・

「・・・・気のせいだろ」

「そうかな」

「そうだ」

「でも・・・・こういうことしてるでしょ」

クスクスと不二が笑った。

そして何も言わない俺の肩に唇を押しつけた。

「・・・っ」

「敏感だね」

眠りにつく前の行為がそうさせている。

何かあったのか今日の不二は少し乱暴だった。

「お前だってしているだろうが」

互いのことは納得した上での関係なのだ。

そのことで不二にとやかく言われる筋合いはない、言う必要もない。

「・・・そうだけど・・・でも君たちのようにはいかないし・・・」

そう言いながら、口づけた後を舌で舐められる。

正直今日は疲れている、会話にも行為にも・・・このまま眠りたかった。

「・・・不二、おまえ今日はもう」

帰れ・・・という言葉を発する前に唇を塞がれる。

「ん・・・・んっ・・・」

押しのけようと肩を押すがさっきの余韻が思い出されて力が入らない。

段々と煽られ、絡みとられて・・・・。


不二のくちづけが首筋に移ったとき俺は手を回す。

と、同時に

目の奥で見つめていた顔を・・・・消した。



夜が更けていく・・・。


「ねえ」

ふいに呼ばれて顔を上げた。

「跡部はさどうするの?」

「何が?」

「来年、卒業したら・・・そのまま高等部?」

「ま、たぶんな」

「そう」

「おまえだってそうだろうが」

「うん・・・・そうなんだけどさ」

そこまで言って黙り込む。

「?」

なんだ?と問いたい気がするが、面倒くさい。

昨日から泊まり込んでいるこいつのせいで寝不足だ。

俺はまた雑誌に目を落とした。

でも書かれている字面を追うだけで頭に全然入ってこない。

「ちっ・・・」

小さく舌打ちをして立ち上がった。

珈琲でも淹れるか・・・・

「不二、おまえも」

飲むか・・・と言おうとして言葉を飲み込む。

「・・・・・・」

俺は黙ったままカップを2つ用意した。

小さく溜息をつく。

食器の音だけが響く。

何も言わない・・・・それが俺の優しさだ。

でも時間は共有してやる。







香ばしい香りが部屋を満たす頃には

あいつの頬も乾いているだろう・・・・・・
2の続き

見せないようにしたのに

気づかれないように横を向いたのに

零れたひとしずく・・・



バカみたいだ

気づかれた

バカみたいだ

気づかれた

同じ言葉が頭をめぐる


こんな時は誰よりも聡い君だから・・・



先の見えない将来に心が揺れてどうにもおさまらなくて

美しく手入れされた中庭を見ながら

横にいない姿を思い浮かべた



ね、どうして君でないんだろう

ね、なぜ僕は・・・泣いてるんだろう




カタっ・・・

香ばしい香りが僕を包む


少しだけ位置をずらして座るんだね

君の優しさだね




どうして君じゃないんだろう


ごめん


もう少し庭を見ているよ


そうしたら・・・・


きっと・・・・大丈夫