「跡部ってさ」

ふいにかけられた声に目を開けた。

見慣れた部屋が浮かび上がる。

とりあえず物が判別出来るくらいの明るさ。

「上手くいってるのかな?」

「・・・・・」

最初何のこととを言っているのか分からなかった。

「何が・・・・?」

「君の恋人」

顔を向ければ 面白そうに笑っている。

その言葉に浮かんだ顔を目の奥で見つめながら不二を見た。

「・・・別に恋人じゃねえよ」

「まだ、そんなこと言ってるんだね」

「まだも何も・・・」

「だってこの前、僕すごい目で睨まれたよ」

・・・・気づいているのか・・・

「・・・・気のせいだろ」

「そうかな」

「そうだ」

「でも・・・・こういうことしてるでしょ」

クスクスと不二が笑った。

そして何も言わない俺の肩に唇を押しつけた。

「・・・っ」

「敏感だね」

眠りにつく前の行為がそうさせている。

何かあったのか今日の不二は少し乱暴だった。

「お前だってしているだろうが」

互いのことは納得した上での関係なのだ。

そのことで不二にとやかく言われる筋合いはない、言う必要もない。

「・・・そうだけど・・・でも君たちのようにはいかないし・・・」

そう言いながら、口づけた後を舌で舐められる。

正直今日は疲れている、会話にも行為にも・・・このまま眠りたかった。

「・・・不二、おまえ今日はもう」

帰れ・・・という言葉を発する前に唇を塞がれる。

「ん・・・・んっ・・・」

押しのけようと肩を押すがさっきの余韻が思い出されて力が入らない。

段々と煽られ、絡みとられて・・・・。


不二のくちづけが首筋に移ったとき俺は手を回す。

と、同時に

目の奥で見つめていた顔を・・・・消した。



夜が更けていく・・・。

2004・5
日生 舞