「・・・っ」

脱ぎ捨ててあったシャツを取り、立ち上がろうとした時

つい声が出てしまった。

思ったよりも負担が大きかったようだ。

ため息混じりに息を吐いて再びベッドの脇に座った。


「だから無理しないでって言ったのに」

もう少し休んでいけばいいのに・・・と小さく言葉を繋げる。

「こっちにもこっちの予定があるんだよ」

そう言って時計を見る・・・・7時だ。

部活をやっている身では大した時間ではないが

今日は何もないことを家の者が知っている、そう遅くはなれない。

それに部活のない日に限って訪問をしてくる奴がいる。

ふとその顔を思い浮かべた。


「・・・ねえ、もう少しいない?」

そうやって腰に伸ばしてきた手を振り払う。

「ここまで付き合ってやっただけでもありがたく思え」

身体は休みたがっているが、そうもいかない。


息を詰めて立ち上がると身体の中のものが降りてくる。

「ちっ」

舌打ちをして未だベッドに横たわったままの男を振り返る。

「シャワー借りるぞ」

「うん・・・相変わらず終わると冷たいね」

何を言っているんだ・・・・と言い返そうと思ったが怠い。

「・・・・・」

無言のままドアを開けて・・・そして閉めた。






「あいつが来るのか・・・」

ぽつりと呟く。

そんなことは分かっていた。

だから誘ったのだ。

「いや・・・今日は・・・・」

と言いかけて、言葉を飲み込んだ時の表情を思い出す。

・・・お互いに辛いね・・・



今日は電話はあるだろうか・・・・

不二は窓から見える月を見て・・・目を瞑った。


2004・5
日生 舞