| ぼんやりと駅へと向って帰路を急ぐ人々を不二は眺めていた。 何が面白い訳でもなく、何を見ている訳でもない。 ただ眺めていた。 本当ならもう店に入らないといけない時間だ。不二は駅の前にある時計を見て、そして小さくため息をついた。 小さな金のネックレス・・・・何の変哲もないそのアクセサリーに思いを込めた自分がいた。 ほんの興味本位から始まった関係・・・お互いの立場からけして想い、想われの関係にはならないだろうと・・・・。 だが、どうだろう・・・・現実にはあんな物に自分の独占欲を重ねるような行動をとる自分がいた。 それは自分でも説明がつかないこと・・・・そして妙にそんな自分が情けなくなってくる、あざ笑う自分もいた・・・。 ・・・もう店には来ているのだろうか・・・ 目の前を行き過ぎる人々をぼんやりと眺めながら不二は考える。 出来るなら今夜はこのまま一人でいたかった・・・・今彼を見ると自分が辛くなるような気がして・・・・・。 なのに・・・・ 「不二やんか。「BlueYard」のNo2がこないなとこで、キャッチかいな?」 突然自分を現実に引き戻す店の名前と関西訛りが頭上から降り注いだ。 顔を上げる・・・・そこにはライバル店「Crimson」の人気ホスト、忍足侑士が立っていた。 「忍足・・・久しぶり。これから?」 心に自然に幕がかかる。 いつ会っても飄々として、簡単には心の内を覗かせないこの男を不二はあまり好きではなかった。 「ん〜。1時間程、時間潰してからな」 不二の問いに、そう答えながら、親しげに傍らの柵に腰を降ろす。 「相変わらず元気そうだね、君は。どう?景気は・・・噂は色々聞こえてきてるけど」 どうして横に・・・と、ふと思ったが、あえて触れない。 「ま、ぼちぼちでんな♪噂言うても、そちらさん程噂になるような事はウチにはあらへんけど?」 「そうでもないよ。君に泣かされたとか言う子、うちに来たからね。ま、でも大体は客の方が我が儘なんだろうけど・・・君程のホストなら軽はずみなこともしないだろうし・・・」 ありきたりな会話を繰り返しながら・・・不二は前を見つめたままだった。 それでも会話は続ける。 「僕の噂って言うのも聞いてみたいね」 「……目が笑ってないで、自分」 「そう?」 ・・・ほら、これが嫌いだ・・・ 不二は短く答えながら心の中で呟く。 いつもいつも思いもかけない方向から自分を突っついてくる。 本当に油断のならない・・・・そう思って少し笑った。 「何や珍しいなぁ。その様子ならやっぱりあの噂は、本当らしいな」 思いがけないセリフにすっと体温が下がったような気がした。 「何のことかな・・・」 そう言いながら不二は煙草に灯を灯した忍足を見る。 立ち昇る紫煙の軌跡を追いながら、相変わらずの笑みを浮かべる男は、何やら満足げに話し出す。 あまり好ましくない話題の展開らしい。 「期待の大型新人君。勢いが凄いらしいな。何でもNo1が、目にかけているとかいないとか?」 ふーっと、煙と戯れながら忍足が言う。 不二は表情を変えずに彼を見つめる・・・・・ 「ま。あくまでも、噂の話やけど?」 噂の真相を知りたいのか・・・・探りを入れているのはわかった。 不二は手塚のことを考える。 そして彼が他人に・・・・・いやただ一人の人を除いては誰にも興味のない男が、構う若者のことを・・・。 「越前くんの事かな・・・・ああ、期待の新人だよ。1ヶ月でNo3だからね。君の言う手塚が・・・と言うのは僕にはよく分からないけれど、彼の才能を買っているのは確かだ」 「ふぅん?」 明らかに説明くさい自分のセリフに、出来るのならば耳をふさぎたかった。 以前には軽くあしらう事の出来たものも、最近はどうにもうまくこなせないでいる。 意味ありげに忍足が唇の端を上げた。 何を言ってもこの男にはすべてを見透かされているのかもしれない・・・・・・・・。 「君の所はどうなんだい?」 唐突に話題を変える。 こうでもしないと何かを口走ってしまいそうだ。 「ん?ウチは至って平穏や」 「あれだけの大所帯・・・・色々あるんじゃないかってね。それに・・・」 少し間をあけて言葉を続ける。 「あれだけ魅力的な店長だし・・・ね」 「…惚れてもうた?」 からかうような言葉に肩をすくめる。 「まさか。一般的な話をしてるんだよ。ま、彼の下で働くのも悪くない気はするけど・・・・そうもいかないしね」 そう言いながら、また雑踏の方に目を移す。 「彼とは考え方合いそうにもないし・・・」 「同じ事言うやろな、ウチの女王様も」 「同じ意見で嬉しいよ。女王様か・・・・確かにそんな感じだね、彼は」 ここにはいない人間を思い出してか、忍足は苦笑した。 「なんや、他から見てもそう思われとんのか?」 度か会話を交わしたこともある・・・その男の事を不二も思い浮かべる。200人いるとも言われるホスト集団のTOPに君臨する男・・・いつも自信に満ちたその姿は羨ましい程に輝いて見えた。 「そっちの手塚とは、180度違うタイプやもんな。ウチのは」 「うちのお姫様は謙虚だからね」 思い出すかのように話す。 「…でも、性質(タチ)の悪さは同等やん?」 軽く言われる言葉に、少しムッとする。 自分が言うには構わないが、他人に判断して欲しくない。 「何を根拠にそんなことを言うのかな? 彼は誠実だよ、誰よりもね」 忍足の言葉を素早く否定するようにそう言いながらも、どこかで少しだけ俯く自分がいる・・・・そんなことは気休めにもならないのに。 「振り回されとんのに?」 「誰が? まさか僕がってこと? 別に振り回されてなんかないよ。君の考え違いだ」 君じゃあるまいし・・・と心の中で返す。 認めたくない現実だった。 「だから、目が笑ってない言うとるやろ。俺でうさ晴らすんはやめてぇな」 「・・・・」 忍足の言葉が・・・・・痛かった。 それは自分が発した言葉が生み出したものではあったのだが・・・。 「ま。気持ちはわからんでもないけどな」 そう言った忍足が笑う。 不二はそんな彼を見て呟いた。 「君が・・・・羨ましいよ」 正直な気持ちだった。 いつも余裕があるようなしゃべりで、表情でいる彼が苦手であると同時に羨ましかった。 たぶん・・・・たぶん彼も同じ思いに囚われることがことがあるはずなのに、自分よりも遙かに上手く生きているような気がした。 忍足が少し不思議そうに自分を見返すのを感じながら、不二は目の前を通り過ぎる恋人同士を目だけで追う。 女性の肩に手をかけ耳元で呟く男性・・・・ そしてそれに笑う女性・・・そんな様子を。 いっそ自分が女性ならば・・・・そんな馬鹿な考えまで浮かんでは消えた。 ・・・そう馬鹿な考えだ・・・ 「……そうでもないで」 苦笑とも自嘲とも取れるそんな呟き。 「お互い様って・・・・?」 そう言いながら、不二が空を仰ぎ見る・・・・今日は星が見えない。 もっともこんな街中では晴れていても星も満足に見えはしないのだが。 「女王様が気紛れっつーのは、昔からのお約束やからな。…勿論、お姫さんも」 「跡部と手塚は違うよ」 静かに答える。 「僕から見れば跡部は素直だよ」 そうずっと・・・・ 「手塚の方がわかりやすいやん」 そのセリフに少し笑った。 ・・・わかりやすい?・・・ 「話したことあるのかな、手塚と。言葉がなかったはずだよ、彼は・・・・無口だからね」 「跡部曰く、言葉が少ない分分かりやすいらしいで?」 「それは君が話しすぎるからそう言ったんだよ」 少しだけからかうように言う。やはり羨ましいのかもしれない。 「でも少ないよりかは良いかも知れないね」 「…そんな気になるんか、手塚の気にかけてる新人君の事」 確かめるように間をおいて・・・・そして忍足が言葉をつなぐ。 「…いや、ちゃうな。…手塚の、本心か?」 「心があればね・・・」 聞き取れるかどうかぐらいの声で呟く。 そう心があれば・・・・自分は何を欲しているのだろう・・・・ 不二はすっと息を吸い込む。 街の香りが胸に広がる。 「それよりも君は? 跡部はますますいい男になったってホスト仲間でも結構話題になってるよ」 「へぇ?そないに言われとんのか、アイツ」 忍足が苦笑した。 やはり彼が抱えている想いも同じなのだろうか。 「何かあったのかな・・・あ、君か・・・彼を綺麗にしているのは」 仲が良くて羨ましいよ、そう言葉を続ける。 「そうだったら、良いんやけどな。…本心がわからんのは、実はこっちも同じや」 そこでふと不二はある噂を思い出した・・・彼は知っているのだろうか。 「これは確かな事じゃないんだけど・・・幾つかの店が跡部を引き抜こうとしているらしいよ」 忍足の顔を見る。 「久しぶりにあった友人が言っていたことだから満更デマではないと思うけど・・・」 それも同業者の友人だ、かなり確かな情報だった。 「…………何や、知っとんのか」 少しだけ間をおいて出てきた言葉に、不二は少しだけ首をかしげる。 知っていたのか、今知ったのか・・・判断が付かない。こういうところは自分と同じかもしれない・・・。 「なんだ・・・・知ってるの? つまんないな、少しは慌てるかと思ったのに」 「アイツ相手じゃ幾ら慌てても、ムダなだけや」 先ほどと少しだけ声のトーンが変わったのは気のせいだろうか。 「自分の考えは言わんし、曲げんからな」 「こんな事は慣れっこって? 流石だね、でも君が色々言うんじゃないのかな? 彼が言わない分」 「………」 忍足は短くなってしまった煙草を足元に捨てると、それを踏み潰した。 「俺は、ムダな事は最初から、せぇへん主義なんや」 「無駄かどうかは分からないと思うけど・・・でも言葉にする分、君は羨ましいって僕は思ってるよ」 自分には出来ない・・・心から欲していることを口に出せば傷つくのは自分だ。 「言葉にしても、信じて貰えへんのも結構キツイで?」 「信じて貰えないの?」 流石に意地悪だろうか? 「はっきり言うなや。ホンマ、いい性格しとるわ、自分」 呆れたように言われる。 「ありがと。・・・・でもなんか微妙だね僕たち。これでお互いに慰めよう・・・・ていう風にならないのが救いかな」 「……慰めたってもええけど?」 心にもないことを笑顔で言う。 「冗談! 僕が君の趣味でないことぐらい分かってるよ」 ははは、と今日初めて不二は声を立てて笑った。 なんだろう、さっきまでの深い所へと沈んだ気持ちが少しだけ浮上した。 「でも好き嫌いは別として、君はいい男だね」 「良く言われるねん。それ」 「本当に、いい男だよ。跡部だってそれは分かってるはずだよ、きっと」 「………そうやったら、ええな。…手塚も…」 もうその名前は出さないで欲しい。 「僕の方はなかなかね・・・」 そう呟いた。 さて・・・・と、顔を上げる・・・と、一人の男が視界に入ってきた。 忍足は不二の視線を追い、そして手塚を見て、ふっと笑った。 時計を見ながら、こちらに気づいたのかゆっくりと近づいてきた。 「手塚も…ホンマはちゃんとわかってるみたいやで?」 「・・・・」 「目は口程に、何とやら…は、手塚の為にあるセリフやな」 忍足の言葉には答えなかった。・・・それでも見つめてしまうのはその瞳の中の想い。 「不二、こんな所で何してる」 不二の目の前に立ち見下ろしながら言葉をかける・・・と同時に隣の男に気がついた。 「どもv」 軽く手を上げて、浮べるのは彼の得意とする営業スマイル。 「君は・・・・確かCrimsonの・・・」 会ったのは今日が初めてだ。 しかしライバル店のNO2だ、写真や遠くから見かけたことはあった。 「忍足侑士。ウチの跡部からよ〜〜く話は聞いとります」 「跡部に?」 手塚は眉を寄せる。 不二はそんな手塚に声をかけた。 「手塚こそ・・・・今頃? ちょっと遅いんじゃない?」 「店長には伝えてある。おまえこそこんな所で・・・・」 さぼっていることを責めているのだろう。 「別に・・・ちょっと忍足くんと会ったからさ、話し込んじゃった」 軽く流す、いつものことだ。 「そう言うことなんで、大目に見たって下さいな」 そう言いながら、忍足は不二の肩に手を回してきた。 何を考えているんだ・・・・と忍足を見た。 「・・・・君もそろそろ出る頃だろう」 手塚の顔が少しだけ険しくなる。 「忍足・・・」 小さく不二が呟き、少しだけ忍足の身体を押す。 「…な?言った通りやろ?」 くすりと小さく笑いながら、不二にだけ聞こえるようにそう告げた。 「何を馬鹿な事を・・・」 そんな期待は持たないようにしている、単に手塚はこういう馴れ合いが嫌いなだけだ。 そして忍足の腕を外す。 その様子を手塚は黙ってみていた。 不二は立ち上がる・・・・・・一瞬忍足の目を見た。 しかしすぐに手塚に目を戻す。 心の中でさっき少しだけ綻びかけた何かが、また固く結ばれるのを不二は感じていた。 妙な時間が流れる、そんな時・・・ 「……忍足?」 声の方向に顔を向ける。 「跡部・・・」 手塚と不二が同時に声を発した。 微妙な空気を纏った3人に、掛けられた声はどことなく不機嫌で。 歩み寄ってくるその勢いもまた、彼の不機嫌さを物語っていた。 「げっ!景ちゃん!」 忍足が声を上げる。 「景・・・ちゃん?」 思いがけない呼び方につい不二は復唱してしまった。 その瞬間、跡部の柳眉がぴくりと上がった。 「忍足、てめぇその呼び方ヤメロって言ったのが、まだわかんねーみたいだな?ああ?」 「待った!待った!!ほら、手塚や不二の前やで〜?抑えて抑えて、な?」 「くすっ、そうか景ちゃんね・・・」 不二が微笑む。 手塚は黙ったままだ。 「……不二、てめぇまで…」 険しい顔が向けられる。 「いいじゃない、可愛くて。天下の跡部様がね・・・・くすっ」 「不二・・・」 止めないか・・・と手塚が声をかける。 でもなんとなくからかうのを止められない。 「忍足、良かったね、お迎えが来たじゃないか」 不二が尚も言葉を続ける。 「………不二、それ嫌がらせなん?」 「え? なにが?」 「不二!」 手塚が少しだけ声を荒げる。 「ったく。何やってんだよ、てめぇら」 跡部は話を元に戻そうとする。 「忍足、てめぇは今日は同伴で遅くなるって言ってたんじゃねぇのか?ああ?」 ジロリと跡部に睨まれた忍足の笑顔は心なしか引き攣っていた。 「跡部、忍足は僕の話を聞いてくれて・・・僕が引き留めたんだ」 ちょっとだけ助け船を出す、助けになっているかは自信はないが。 「不二・・・・もう関わるな」 手塚は不二の肩に手を置く。 面倒なことに関わるな、そう言っているようだ。 「忍足なんかに、何の話があるってんだ?」 「……なんかって、酷いわ。景ちゃん」 「君と」 と、跡部を見て・・・ 「手塚のことでちょっとね」 不二は手塚を見た。 ・・・・そう君の話だよ・・・・ 不二は心の中で言葉を繋ぐ。 「あ?」 「不二?」 「ま。No2にはNo2同士の話ってもんが、あるんや」 「・・・・そういうことだよ・・・・」 そう言うと、ふっと笑って不二は忍足を見た。やっぱり喰えない男だ。 そんな不二に忍足は片目を瞑って見せた。 「不二、あんまりコイツに変なコト吹き込まれるなよ」 ロクでもないヤツだからな、と跡部は忍足を見て告げた。 と、跡部の中の自分の評価はどうなっているのだろう、少しそれが気になった。 ・・・・それにしても・・・・ と、訳の分からない話で不二を見つめている手塚の横で不二はため息をつく。 少しだけ此処で修羅場をやってみようと思ったのに見事にかわされてしまった・・・・忍足、やっぱりよく分からない。 不二はもう一度溜息をつく・・・・やっぱり苦手な男だと。 「ま。でも楽しかったで、またゆっくりと酒でも飲みながら話そうや。不二」 「そうだね」 そんな機会があるのかと思いながら返事をする。余り近づかない方が良いのかも知れない。 「おい、手塚」 忍足と不二に、何やら妙なものを感じて、跡部が手塚に小声で告げた。 「なんだ」 「……何か、嫌な予感しないか?あいつ等見てると」 「そうか? 俺にはよく分からないが・・・」 手塚は否定する。でも何となく気分が悪い。 「ねえ、女王様とお姫様が顔を寄せている図っていうのもいいよね」 跡部が近寄ってきたことで離れた不二が忍足に囁く。 「ああ。良い目の保養やわ」 「こう言う機会は、一度だけじゃ惜しいなぁ」 「確かにね、何度も見てみたい気はするね。」 不二はそう言うと、もっと声を潜める。 「今日は・・・・君に会えて良かったかもしれないな。ホントの事言うと会った時は、あまり良い気がしなかったんだよね。」 と、にっこり笑う。 「そら、お互い様や」 「まったく、口の減らない男だね、君も」 「………手塚」 「だから、なんだ?」 何やら笑いながら話している忍足と不二を見て、再度跡部が手塚に問い掛けた。 「……あいつらって、どこか似てる気がするんだが……」 「は? 不二と忍足がか・・・?」 そう言われればそうも思える・・・・でも手塚の目にはどう見ても不二の方が・・・。 「ま、そう言うところもあるだろう」 どこが似ているかとか考えるのは意味がない。忍足は忍足で、不二は不二だった。 「……お前、よくそうサラッと言えるな。俺は何だか嫌な予感がするぜ」 跡部がやたら気にしていることが、自分にはよく分からない。 それよりも気になるのは、自分がさっきから不機嫌になっていることだった。 「そういうことは余り考えない方がいい。考えても始まらない」 あっさり答える。 それよりも店長に伝えていた時間の方が気になる。 「不二! そろそろ行くぞ!」 跡部も自分の腕時計で時刻を確認した。 「忍足っ!」 「あー、お姫さんと女王様のお呼びやわ」 「お呼びだね・・・」 不二が仕方なく振り向く。 手塚は今日も機嫌が悪い・・・。 「じゃ、忍足・・・・また」 「ああ。またな。こん次は、お姫さんも連れてきてな」 「・・・・努力してみるよ・・・・君も頑張って」 本心からそう思っているのか、お互い軽く言葉を交わす。 「忍足っ!さっさと来いっ!!」 「不二、何してる!」 跡部と手塚が声を揃える。 「はいはいっと」 不二に向って片手を上げると、忍足は先に歩き始めた跡部の背中を追う。 それが当たり前のように、自然に肩を並べて。 不二は遠ざかるその姿を見送った。 「・・・・だから僕は君が羨ましいって言ったんだよ・・・」 その二人の姿に、くすっと笑う。 「どうした?」 先に歩き出した手塚が立ち止まり振り向く。 「ううん、何でもないよ・・・」 いつもの顔で答える。 これから向かう世界は華やかな世界、夢の世界。例えそれが仮面と言われようとも、そこで生きていくしかない、そう生きていくしか。 いつか、いつの日か手に入れることが出来るのかも分からずに・・・・・欲しいものはただ1つなのに。 不二は歩き出す・・・・手塚の横に並んだ。 自分はこの背中を追いかけない・・・・それが唯一のプライドだった。 |
2003・5・1
| ◆あずまさんのコメント◆ 「今回、ホスト@氷帝サイド/忍足・跡部を担当しました、あずま ゆみです。 そもそもの発端は、手塚の私服&ネックレスがホストっぽいと言う所からで、 日生ね〜さまにホスト@青学SSをプッシュして、「Blue Yard」が始まったんですよね。 確かその時は、「ぜひライバル店にホスト@氷帝を書いてねっ!」とお願いしていたんですが… …何で、私が書いているんでしょう(笑) 油断するとお笑い路線に転がって行きそうな、ウチの面々でしたので、 チャット時はまさに「油断せずに行こう」の心境でした。 でも兼ねてから盛り上がっていたコラボが出来て、嬉しいですv ありがとうございましたvそして、またヨロシクv→本気か!? 追伸:今回、不二を落とし切れなかったのが唯一、悔いが残る所です。 次回こそは、落としたいと思います。 『タラシキング・忍足』の名にかけても(笑)」 |
| ◆日生のコメント◆ お疲れ様ですv あずまちゃま♪ 本当に楽しいなりチャでしたねv 初めての体験(きゃv)だったのですが、とても自然に不二になりました・・・ で、本当に目の前の忍足に恋をしそうになりました・・・ いやあ、すごい色気なんです、忍足、さすがv ここではご紹介出来ませんが、互いのセリフの合間・・・・かなり暴走しましたね! 互いに突っ込むこと、突っ込むこと・・・ 跡部様の登場の時にはコールさせていただきましたv 本当に夢のような時間でした ぜひまた機会があればv そして今度こそ忍不二か、不二忍か決着を!(は?) でもここの展開はシリアスでしたね ありがとう〜うちの暗さにつきあってもらいまして・・・ 今度は忍足の本音を引き出したいなあ〜 |