朝・・・そして放課後

ボールを打つ君の姿を見つめる

隙のない見事なフォームに ふと気づけば皆 君を見つめている

気づいているのだろうか・・・

自分がどれだけ他人の目を惹きつけるのか

そして

その場の空気を一瞬にして変えてしまうほどのものを纏っているかということを



コートの中の君と

僕を見つめている時の君

どちらも同じ君なのに 今の僕には別人のように思えてしまう

君は自分のことを『不器用だ』なんて言うけれど

でもきっと君は器用だ

だって ほら こんなにも自分を使い分けている



それに比べて僕の方がずっとずっと不器用だ

色んな事に色んな人に器用だと思われているのに

少なくとも君に関しては不器用になってしまう

こんなにも自分の心さえ持てあまして

いつまで経っても上手く扱えない

それが悔しくて

楽しくて

辛くて

切ないんだよ

でも・・・・・僕の中で渦巻く気持ちを君はきっと知りもしないのだろうね




知ってる?

出来ることなら君の見つめるものを全て壊してでも

僕だけの世界に君を連れて行きたいんだ

そうすれば僕も少しは器用になれるかもしれない




僕を呼ぶ君がいる

その声に応えてラケットを持つ

青空に響く声に僕は微笑む



そうだね 忘れていたよ

打ち合っている時も僕と君しかいない世界だったね



器用な君と不器用な僕

誰も知らない僕たちの姿

2003・5・26
日生 舞