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雨
いつの間にか雨が降り始めたようだ 雪兎は小さいため息をつきながら縁側へと向かった しとしとと降っている雨はこのまま夜まで降りそうだ また雨の夜が来るのか・・・振り返るとがらんとした部屋を眺め そしてため息をついた・・・
考えたってどうしようも出来ない 何も変わらない そんなことは分かっているのに それでも考えてしまう これからの自分を そして大切な人のことを・・・ いつまで同じ時間を歩めるのだろう 彼を失った時自分は生きていけるのか (ああ、まただ・・・) 雪兎は頭を降って 後ろ向きになっていく自分を必死に戻した どうしようもないことに捕らわれて 今彼と生きている時間を過ごすのは やめようと心に決めたばかりではないか・・・それなのに・・・
「ゆき・・・ゆき・・・」 目を閉じる 此処にいないはずの彼の声が聞こえたような気がした 自分を呼ぶ優しい声 みつめる瞳 その一つ一つが僕の心を支える こんな存在でいることはけして幸せではないと思うけど 彼と出会えたことは何にも代え難い幸せだ 不確かな物の中での唯一の真実 これだけは無くせない 誰にも譲れない想い
聞き慣れた足音 「とーや・・・?」 バイトがこの雨で急に休みになって・・・と雪兎の姿を見つけ縁側へと走ってくる 「買い物してきたから夕飯作ろうぜ!」 ああ、彼がいるだけで風景が色づく 「うん!」
今夜は雨の音と彼の声に包まれるだろうから 明日は雨はやむのだろうか・・・ |
2001・6・4
M・Hinase
| ★雨の話は好きです。これ自体にマイナスの要素はあまり感じない方なのですが、シチュエーションとしてはすごく語りに合うような気がして・・・ |