棺の中



ユーリ、ユーリ……
俺の腕の中で気を失ったままのユーリ…
かつてこれほどまでにあなたを、身近に抱いたことはなかった。

双黒の輝く瞳も、柔らかな髪も闇に溶けて、今は何も見えない。
感じられるのは唯一、この頬にかかる、あなたの安らかな寝息だけだ。

暗闇の中、俺には見える。
薄闇に震える少女のように長く濃い睫毛。
汗ばんだ柔らかな髪の毛。
俺の名を叫び、快活な笑い声が絶えなかった唇。
マ王という運命と俺の忠誠を受け入れた時の、あなたのあの一途な瞳。
無垢な心から寄せられた、絶対的な信頼。

そばにいることが、俺にとっての運命と、疑いもなく信じることができた。
俺はずっとあなたのそばにいるはずだったのに…

静かにあなたの頬に指を触れてみる。
意識を失ったあなたの目元に、今は、苦悩の陰が見える。
あなた以外の主人を「陛下」と呼ぶたびに、真一文字に結ばれる唇。
向き合った時はけっして合わせようとしない瞳。

あなたを見つめることができるのは、あなたが背中を向けている時だけになってしまった。
同じように、あなたの視線が俺の背中を彷徨うことがあるのを、俺は知っている。
あなたの心が「なぜ」という言葉でいっぱいになっていることを、俺は知っている。
そんないらだちを、直接ぶつけようとしないあなたの姿を見るのは、
裏切り者となじられるよりもつらかった。
今は何も話すことができない俺を、いつか許してくれる時がくるのだろうか、ユーリ?

眞魔国と大シマロンに離ればなれになってしまった今になって、
これほどまでにあなたを、身近に抱くことになるなんて…
あなたが目覚めたら、俺たちは否応なく現実に引き戻されるのだ。

だから、ユーリ…
どうかもうしばらく…瞳を閉じたままで…


2005・8・12
 ゆみ



お誕生日プレゼントに頂きました!!
あああ・・・・!なんて切ない、切ないよ〜次男!!(涙)
今この瞬間その腕の中にある大切なもの・・・
でもそれは僅かの時間ですぐにまた離れなければならない・・・
心をこんなに残しているのに、どうしてあなたは!!
原作のあのシーン、衝撃的でしたね・・・・v
コンユ飢えが随分と満たされたことを思い出します

ゆみさん本当に素敵なお話をありがとうございますv
もう・・・感激です、大切にしますね!(^o^)