狡い大人

君の瞳の中に僕がいるのか時々不安になる

僕が君の世界でどれくらいの場所を占めているのか分からない

そんなことを言ったら

何を言っているのか・・・・というような顔をして

それはおまえも同じだろう・・・

そんな風に返された

狡いね

なんで言ってくれないんだろう

おまえのことを見ていると

おまえの場所はここにあると

言ってくれればいいのに

それだけで良いのに・・・・



いつもいつもそう

君が見つめているものはコートの中の事

追うのは白い小さな球

いつだってどこだってそのことだけ

・・・・そんな君を好きになったのだから

そんな君から目が離せなかったから・・・・

だから・・・・仕方がないのかも知れないけど・・・・・

でも淋しいんだ

それぐらい分かってくれていると思ったんだ



おまえの場所はここだと

僕に思わせてくれれば・・・・

それだけで充分なのに

一言僕にくれれば・・・・こんな事にはなっていなかったかも知れない・・・・なんて思ってしまう

君がいない今でも僕は待てたのに・・・・と




「ん・・・・・」

横で寝返りを打つ気配に窓の外を見ていた目を部屋に移す

ゆっくりと隣で眠る男の髪を触った

やわらかい・・・・・無性に恋しさが募る

そしてまた・・・・

感情の高ぶりのままに抱いたその身体にもう一度触りたいと思った

そうしないと眠れない 寝付けない気がした


肩を引き寄せ 組み敷く

「ん? な・・・・・」

何だと言わせないようにその口を塞いだ

「ん・・・・ん・・・・」

何が起こったのか分からないまま跡部の手が背中を叩く

その手をとってまたシーツに押しつけた

細い腕が綺麗だ・・・・

誰かに受け止めて欲しくて

君を求めた

ねえ いいよね?

そう呟きながら口づけた・・・・・・・






そっか・・・・・そうだね

心の中で苦笑する



一番狡いのは僕だ  僕なんだ



2004・11・22 日生 舞