揺れる


ふとした言葉に揺れる

ふとした仕草に揺れる

その瞳に揺れる



「跡部さ・・・そんな目で人を見るのやめない?」

「あ? 目?」

「・・・・もしかして・・・・自覚無し?」

何を言っているんだ?っていう表情を見て・・・・軽く息を吐いた

いつもじゃない ふとした瞬間 その瞬間 そんな目をする

普段の尊大さが姿を消して・・・代わりにその瞳を覆うのは・・・不器用な優しさだ

押しつけじゃない

でも

気づくとその優しさが気持ちの側にある・・・・そんな感じ


「言ってることが分かんねえな」

呆れた風に首を振って

読みかけた本にしおりを挟んで・・・その妙に丁寧な仕草を見つめる

肩をすくめながら 僕を残して部屋を出て行く

でもきっと戻ってくるときには何か飲み物を持ってこさせるのだろう

いつもそうだから



あのね君の目にはね

優しさがあるんだ

あいつにはない感情の揺れがあるんだ

それが時々僕を苦しめるんだよ?

君の瞳にそれを見るたびに自分を責めてしまうんだ

何をしているんだろうって・・・

こんな事言えばきっと君は

”何を今更・・・”ってきっとバカにするだろうけど・・・

そうだね 本当にバカだね・・・



窓の下で犬の鳴き声がする

ご主人を見つけて嬉しそうな声だ

ほらね

みんな知っているんだ・・・君が優しいってこと

だからみんな君が好きだ

好きなんだよ






どうしてなんだろうね

どうして僕にはあいつなんだろう・・・・・




揺れて 揺れて 揺れて

でも

それは揺れるだけ

そして

それを何処かで楽しんでいる自分がいる




2004・11・12 日生 舞