| ー 美しき日本の花 − 『あの人が日本には居るんだと思えば、どんなに文明の進んだ異国に行っても誇りを持っていられる。 そして俺は異国の文化すべてを吸収して多くを学んでこよう。』 イギリスに向かう船上で秋月を想いながら、草加は固く心に誓った。 草加は下宿先へと急ぐ道すがら、優しく懐かしい花の香りに立ち止まる。 「んっ、この香り・・・」 その香りに誘われるように歩いていくと、街角にある小さな花屋を見つけた。 「Is this folwer a Jpanese lily?」 「So, It's called an Oriental lily.」 「Give me one of them.」 『ああ、この香りだ。清楚で、奥ゆかしい・・甘美の中に凛とした強さを秘めたその姿。 あの人は日本の美しさそのものだ。初めて結ばれたあの日、身体の奥に 点いた灯は日に日に熱く燃え上がっていく。秋月さん・・・会いたい。』 「It's a beautiful flower Mr.Kusaka.」 「This flower reminds of a person especially.」 「Is it a lover?」 草加は何もいわず、ただ愛しそうに微笑むと一厘の白百合を抱きしめた。 『必ず来る、自分や藩そんなものに捕らわれず会えるそんな時代が。日本に帰った時、 あの人が誇りに見える俺になるよう頑張るんだ。』 決意新たに踏み出す草加の顔は凛々しく自信に満ちていた。 あの川辺で秋月と再会できる日を夢見ながら・・・ ー さ百合花ゆりも逢うはむと下延ふる心しなくは今日も経めやも − ー 終 − kaz 万葉集 第十八巻 : さ百合花ゆりも逢はむと下延ふる 原文: 佐由利花 由利母相等 之多波布流 許己呂之奈久波 今日母倍米夜母 作者: 大伴家持(おおとものやかもち) 意味: 百合といえば、ゆり(あとで)。 − 後で逢えると期待できなければ、今日という日を過ごせなんかできません − |
★LUVの#29に掲載された春抱きの”胡蝶の夢”
その中で草加が船上から秋月さんを想うところを読んで
感じた事をkazさんが文にしてくださいましたv
そうなんですよね〜百合の持つ気高さとか香り高き所なんて
岩城さんそのものの様な気がしてv
草加の秋月さんへの思いの強さを感じます・・・
kazさん素敵なお話ありがとうございます
展開が分かっていると余計切なく・・・美しく思えますね・・・・