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| 部屋に帰ってきて一番にすること それは寝室にしている部屋へ行くこと。 ドアを開けてそれが見えると心の何処かがほっと息をつく。 「ただいま岩城さん」 声に出していう。 返事はないけれど。 ポンと鞄をベッドに置いて座る。 そして笑っている岩城さんを見つめた。 これは休日・・・ドライブに出たときの岩城さん・・・ 写真を見ていると顔が自然に綻んでくる。 『香藤』 声が聞こえてきそうだ。 「岩城さん」 またその名を呼んだ。 「今・・・・何してる?」 写真の岩城さんは笑っている。 相談もしないままに旅立った。 顔も見ないままに日本を離れた。 少しだけ責めるようなあの電話の声は今でも忘れない。 でも・・・でも・・・ 同じ役者だからね、岩城さんは分かってくれたんだと思う。 勝手をしてごめんね-------写真を見て苦笑した。 いつ見ても優しい笑顔の岩城さんがそこにいる。 岩城さんと歩いていくために俺、変わるから・・・ 岩城さんを最高の笑顔で迎えられるように頑張るから・・・ 道は切り開いていくものだということを忘れていた自分 岩城さんが好きだといってくれた自分を絶対取り戻すから。 だから・・・ そっと手を伸ばす。 髪に 頬に そして唇に・・・ その感触を思い出しながら触る。 声が聴きたい。 その目を見つめたい。 そして肌にくちづけたい・・・。 一日一日と募る想いがどんどん大きくなる。 岩城さんも同じように感じてくれているよね? 携帯を開きメールを打ちかけて・・・やめた。 勝手な感傷に岩城さんを巻きこんじゃいけない。 岩城さんも今、闘っているんだから。 目を瞑って、大きく息を吐いて、あの愛しい声を、顔を思い出してポケットに戻した。 途端、携帯が鳴る。 慌てて手にすると、さっき養成所で別れた友人からだった。 食事の誘い。 慌てた自分に苦笑する。 幸いこっちでも友人が出来た。 皆、明日を夢見て頑張る気の良い奴らだ。 苦手だった英語だったけど、彼らのおかげで少しは上達したと思う。 友達だけに容赦はないけれど。 「ちょっと出てくるね、岩城さん」 立ち上がって声をかけた。 この国に来て見るもの触れるものが 俺を変えていく・・・ でも変わらないものは・・・ 誰にも、どんなことにも変えられないものは心の中にある。 だからこそ頑張れるんだよ。 部屋を出るとき、もう一度振り返る。 写真の中の岩城さんは笑って、俺を見送ってくれた。 |
香藤くんのアメリカ1人暮らしの創作です(^_^;)
基本的にポジティブな人なので
何事も良い方向に捉えながら暮らしていたんだと思います
(何も考えていないのとは違います)
またそう思わなければ日本を離れた意味がないと
思っていたのではないかと・・・v
2006・9・19
日生 舞