特別な日のいつものふたり
| 「今日岩城さん、誕生日なんだって?」 呼んでもないのに香藤の控え室に遊びに来た小野塚は これまた返事も待たずに勝手にコーヒーを入れて飲み始めた。 香藤はノックだけをして入ってきた彼を見た。 読んでいた雑誌をテーブルの上に放り投げるように置く。 「・・・何でおまえが知ってんだよ」 「狭い世界、そんなことぐらい分かるでしょ」 呆れたように答えが返ってきた。 「それに今俺のお兄さんだし」 小野塚はにやりと笑う。 そう言えば、今日はドラマの撮りがあるような事を今朝聞いたような気がする。 『俺のシーンは無いけどな』 そう言っていた岩城の言葉を思い出した。 「まさか、おまえ何か岩城さんにプレゼントするつもりじゃないだろうな!」 はっと、香藤は顔色を変える。 小野塚はカップに入れたコーヒーを一口飲む。 「考えないこともなかったけどな・・・ま、岩城さん返って気にしそうだし、 言葉だけにしようかなとか思ってんだけど」 「・・・・・ならいいけどな」 そう言い捨てると香藤は再び雑誌を手に取る。 そんな香藤を呆れたように見て小野塚は溜息をついた。 「おまえね〜そんな子供っぽい嫉妬どうかと思うよ?面白いけど」 「おまえに関係ないだろう、別に!」 「ほらほらぁ〜すぐそうやって頭に血が上るし」 再び顔を上げた香藤を面白そうに見る。 「煩いなっ!いいだろ、別に!」 ムキになる香藤を見ながら小野塚は座り込む。 「・・・何くつろいでるんだよ」 「だって俺待ちが長いし・・・っておまえは?」 「何が?」 「誕生日プレゼント!するんだろ?」 「当然!」 俺がしない訳ないだろう!と香藤が自慢するように言う。 もう1ヶ月も前から色々物色済みだ。 今夜、仕事から戻ってきたらいつでも渡せるようにちゃんと準備もしてある。 「何するんだよ?」 「おまえには関係ない」 「いいじゃん、教えてくれたって・・・減るモンじゃないし」 「減りそうなんだよ、おまえの場合は特に」 「香藤・・・」 ホントに子供みたいだな・・・小野塚はくすっと笑った。 ![]() その後、会話は途切れ・・・しばらくそれぞれに雑誌を手にしていた。 頁を捲る音だけが響く。 ふと小野塚は顔を上げて、香藤を見た。 「なんだよ、じーっと見て・・・・」 その視線を感じて香藤も小野塚に顔を向けた。 「いや・・・・・今ちょっと変な想像したもんで」 「変な想像?」 「そ、変な想像・・・・・ぷっ!」 突然小野塚が吹き出す。 「な、なんだ!?」 「ぷぷぷっ、いやあ、それはどうかなあ〜」 「はあ?」 急に笑い出した小野塚に香藤は訳が分からない状態で・・・。 「いやさ・・・やんねーの?自分にリボンかけてプレゼントは俺って」 と言いながら、けらけら笑い出す。 「・・・何言ってんだ、おまえ」 その言葉に呆れながら、香藤は笑う小野塚を見た。 「だってさ・・・いつものおまえならやりそうじゃん・・・はあ〜おかしい、たまんない」 「・・・おまえな;;」 一体俺を何だと思っているんだ・・・・と言葉を続ける。 「そりゃね、普通はどうかと思うけど、おまえならやりそうだとか・・・あははは」 自分の想像がツボにはまったのか笑いが止らないようだ。 「笑いすぎ!煩いよ、おまえ」 「でも良い案と思わね?ああ、やりそう!」 「誰がやるか!・・・そんなことしたら俺、岩城さんに寝室追い出される気がする」 ふと自分にリボンをかけている様が浮かび、慌てて香藤は首を振る。 そんな姿で寝室のドアの外に立たされている姿はあまりにも情けない。 「ま、そうかもね。でもさ・・・」 笑いのあまりに出た涙を拭きながら小野塚は立ち上がった。 そろそろ時間になったのだろう。 「俺の誕生日ならOKかもよ」 「・・・・・は?」 何を言っているのか分からないと香藤がドアに向かう小野塚を見る。 おかしそうに香藤の顔を見て、じゃあな!と手を上げた。 「ちょ、ちょっと小野塚!?」 香藤の声に答える様にドアを開けながら、あっと振り向く。 「そうそう俺の時はもちろん、服はなし」 「・・・・・は?」 再び発せられた衝撃的な言葉に香藤は固まる。 小野塚はその香藤を見て笑った。 そしてドアを閉めた。 『ちょっと待てーーーー小野塚ーーーー!』 中で叫ぶ香藤の声が聞こえた。 「おや、小野塚さん、何か良いことあったんですか?楽しそうですね」 「うん?まあね。楽しいですよ〜」 にっこり笑って通りかかったスタッフに答える。 小野塚は、んんーっと背伸びをする。 さっきまでの疲れが少しだけ癒されたような気がした。 こういう触れあいは大切だ。 「さ、お仕事しましょ」 そう呟くと、颯爽と廊下を歩いて現場へと向かった。 |
| 2005・1 日生 舞 |
個人的な萌えシチュエーションでどうも(^^ゞ
でもこういった駆け引き(一方的に小野塚からだが)が
何とも好きなんですvvvv
ユッカ様のサイトに捧げものとしていたSSですが
サイトの閉鎖に伴いこちらへの掲載を許可して頂きましたv
小野塚の素敵な表情もとってもいいですよね!
こんな趣味丸出しの話に素敵な小野塚をありがとうございましたv