悪戯 ーー岩城の襲撃ーー



帰宅して、自分のベッドで香藤を見つけた。
大の字で無邪気な顔で眠っている。
思わずくすりと笑いがこぼれてしまう。
胸の奥から何か暖かいものが湧き上がってくる。
こういうのを幸せって言うんだろうか・・・
しみじみと考えていると、香藤が寝返り、横向きになる。
側に寄り、傍らに腰掛ける。
「ただいま、香藤」
そう言ってゆっくりと髪を撫でる。
起きる気配は全く無い。
「香藤?」
軽く前髪を一房引っ張ってみた。
う〜ん、と唸るだけ。
今度は頬をつついてみる。
払いのける仕草をみせて頬を擦るが、香藤は未だに夢の中。
ムニャムニャと何やら寝言を言っている。
このまま寝顔を見ていたいような、起きて欲しいような・・・
ふと、あることを思い付いた。
香藤の頭の横に手をつき、体重を掛けないように覆い被さる。
「香藤。起きないのか?」
耳に息を吹きかける様にしながら話しかける。
「起きないと襲うぞ?」
柄にもなくワクワクした。
しかし、暫く様子を見るが何の反応も無い。
ただ頬と耳が少し赤くなった。
小首を傾げて考えてから、もう一度耳に唇を寄せる。
耳をペロリと舐め上げて、
「あ、はぁ。・・・かとっ、早っ・・く」
荒い吐息と上擦った囁きを吹き込む。
これでどうだ?
満足げな笑みと共に香藤を見るが、やっぱり反応は無い。
少しむっとする。
だが視線を滑らせて気付いた。
横向きになった為に捲れたエプロンの裾。
その陰で香藤の股間が膨らんでいることに。
そっと手を伸ばして、指先で軽く形をなぞってみた。
「うっ・・・ん」
香藤の唇から吐息が漏れ、眉が寄せられる。
どこか苦しげな、艶めいた香藤の表情を、じっと見つめた。
今度はしっかりと目的を持って撫でさすってみる。
更に増す熱と質量。
岩城は静かに香藤を仰向けにさせると、前を寛げてやる。
突然触れた外気に身じろぎしたが、起きる気配は無い。
スラックスと下着を脱ぎ捨て、ベッドに乗り上がる。
自分の後の準備をしながら、香藤自身に舌を這わせた。
優しく、あやすように。
目を覚ます程の強い刺激にならないように。
でも確実に快感を引き出すように。
「・・・もっ。・・・だ・・・く」
夢の中の香藤が呻いた。熱い吐息がもれる。
岩城は顔を上げて、香藤の耳元に再び唇を寄せる。
「まだダメだ。我慢しろ」
そして香藤に跨り、ゆっくり腰を降ろしていった。
「っん。ふぁ・・・あれっ。・・・岩城さ・・・?」
急に締め付けられて、眠りから引き上げられる。
「へ?なにこれ。なんで?」
寝起きの頭では自分の状態が分からない。
見回してみれば、自分の上に岩城が乗っている。
「なんで、岩城さんが?しかも生足っ!」
思わず、わたわたと手が宙を泳ぐ。
「ていうか、もう挿入ってるしっ!!」
慌てて起き上がろうとしたが、岩城に押し戻される。
「ええええ〜と、岩城さん?あ、あの」
「据え膳喰わないのは、・・・男の恥、だろ?」
「・・・は?」
「俺の、ベッドで、・・・待っ、てたのは」
ゆっくりと腰を動かしながら喘ぎ混じりに答える。
「そういう・・こと、なんだろ?」
香藤の視線を釘付けにしたまま唇を舐めた。
岩城さんてば。なんかもう、スイッチ入っちゃってるし〜。
思わず心の中で泣きを入れてしまった。
顎を上げ、潤んだ瞳で香藤を見下ろしている。
その姿だけで達ってしまいそうだ。
その上、嫌なのか?と締め上げられれば降参するしかない。
一度目を閉じ、思いっきり息を吐き出した。
再び開いた目は挑戦的に輝いていて、岩城を貫く。
「そうだね。据え膳食べなきゃ、男じゃないよね」
そう言って岩城を抱き寄せて、場所を入れ替える。
「岩城さんが誘ったんだから、責任取ってよね」
容赦なく突き上げながら挑発する。
岩城は返事の代わりに香藤を引き寄せて、その唇を貪った。
2人が熱い夢から醒めるのは、暫く先のことらしい・・・

 END
玖美



綴り箱No.124を受けて
玖美さんが裏Version書いてくれましたv
おねだりして頂いちゃいました(^O^)
ふふふ、襲い受けの岩城さんが・・・・・・素敵!
煽られた香藤くんにじっくり食べられるのでしょうねえ〜vvvv
熱い夢はいつ覚めるのかしらv
玖美さん、素敵なお話をありがとうございます!