今 ここにあるもの
| 『おまえあいつのこと・・・好きなんだろ?』 ふと耳に入ってきた言葉に顔を上げると 画面にはたぶん高校生だろう、制服を来たふたりが夕焼けに染まる道を歩いていた どうやら学園もののドラマらしい。 その場面を見てソファに目を移すとクッションを抱え込んだ香藤が画面に見入っていた。 ・・・珍しいな・・・ いつもならあまりこの手のものを香藤は見ない。 恋愛ドラマや時代劇なら一緒に見ることもあるが学園ものはあまり見なかった。 見るともなしにその視線につられて画面を見てしまう。 学生時代・・・いい思い出は少ない。 ひたすらに自分を束縛するものから逃れたい・・・・そう思っていた。 友人はいたが親友と呼べるものでもなかったのかも知れず、 まだあの頃は家族の思いを理解出来ず反発ばかりをしていた・・・・・ そんな頃・・・・もしそんな時代に香藤と出会っていたらどうなっていただろう。 そんなことをぼんやり思う。 年の差等々を思えば、何を馬鹿なことを・・・と自分でも苦笑してしまうが。 それでも・・・・と、ふと考えた。 あの画面の中のふたりのように肩を並べて歩むこともあったのだろうかと。 互いに制服を着た時代に出会っていれば、また何か違った道があったのかと・・・。 そこまで考えて・・・・やめた。軽く頭を振る。 こんな事を考えても意味はない・・・そう気付いたからだ。 早く出会えれば良かったかもしれない・・・・・・・でもただそれだけではないことを知っている。 俺には俺の・・・そして香藤には香藤の歴史があって、そして出会った。 互いに違うものを背負ったまま出会い、時には傷つけ合って、そして笑って・・・・ きっとそんな時の積み重ねが今のこの生活を築き上げているのだ。 だからそんなことを考えるのは無意味なんだと。 「・・・・・岩城さん?」 呼ばれてゆっくりと目を向けると、香藤が不思議そうな目でこちらを見ていた。 「なんだ?」 「岩城さんも見てるの?」 このドラマ・・・と画面を香藤が見る。 「いや・・・・お前が珍しいものを見ているなと思ってな」 「え? ああ、そうだね・・・あまりこの類のものは見ないよね、俺」 でもさ・・・・と話を続ける。 「今見ていて考えてた・・・岩城さんと学生時代に会えていたらどうだったんだろうか・・・って」 へへっ・・・と笑いながら言うその言葉に少し驚く。 自分と同じ事を考えていたなんて・・・。 「・・・・で、どうだったと思うんだ?」 少しだけ、はやる気持ちを抑えて尋ねた。 「うーん・・・・難しいけど・・・想像がつかない」 「・・・・・」 「きっと岩城さんはその頃から凄く魅力的で・・・・・・俺は目を奪われちゃうかも知れないけど・・・・ でもその頃の俺じゃまだまだ岩城さんには敵わないような気がする」 香藤が苦笑する。 今でも別の意味で敵わないどね・・・と付け加えながら。 「まだまだその頃の俺じゃ・・・・ね」 「そうか?・・・・・でもそれはお互い様だと思う・・・」 後半は呟くように言った。 「え? なんて言ったの?」 良く聞こえなかった香藤が聞いてくる。 「なんでもない」 そう言って席を立ち側に行く。 「何々?? なんか変だなあ〜さっきから!」 「なんでもない、お前と同じ事考えていただけだ」 「え?」 「ほら」 問い返しには答えずに香藤が抱えているクッションを取りあげ、横に置いた。 「俺が来たからもういいだろう」 そう言うと 「何言ってんの? 岩城さんの代わりにクッションを抱きしめてたんだよ!」 たいした代わりにもならないけどさ・・・ そして俺を引き寄せた。 「もういいの? 仕事・・・・」 「ああ・・・なんかお前の体温を感じたくなった」 今お前といられること・・・・それをもっともっと感じたくて。 ”If・・・”なんていらない、俺達の間に”仮定のこと”など存在しないんだ。 お前がお前で、俺が俺で・・・そしてこの現実があればそれが全てだ。 「岩城さん、それ、お誘いって受け取っていいんだよね?」 俺を腕の中に抱き込みながら香藤が微笑んだ。 俺はその目を見つめて顔を近づけた・・・・程なく温もりが唇に触れる。 それが返事の代わりだった。 与えられた熱に身体が溶け・・・全身でお前を受け止めたい。 今という時を刻みつけて欲しい。 画面の中では彼らの時が流れている。 そして今、この部屋では俺達の時が流れていた・・・・。 |
2005・7・15 日生 舞
・・・・えーラブラブなんですけど??
雰囲気が分かりにくいかも・・・・あぅ;;;
なんかなあ・・・・突然書きたくなったんです・・・・
でも段々何を書いているのか分からないものに(^_^;)
ま、それはいつものことか・・・・汗
とにかくラブラブなんです!!(そこまで強調しなくても・・・・笑)
あ、自分のツボを書いているだけ・・・という話も・・・・ぼそっと呟く;
何がツボかは普段の私をご存知ならお分かりだと思いますがv