「お願い事は…」


岩城さんに内緒で相談があるっていうから、みんなこうして控え室に集まったのに。
小野寺、宮坂、清水を前にテーブルの真ん中で小さいながらも仁王立ちの香藤。

『トナカイさんに会いたいんだけど…』

「えっ!」
「はっ?」
「まぁ」

香藤は周りのあんまりな反応に不服そうだ。
「どうしてトナカイさんに会いたいんだよ?」
「お願いがあるの!」
「普通、この時期のお願いっていったらサンタさんになんじゃねぇの?」
「トナカイさんでいいの!」
「多摩動物園にいたかもしれませんが…」
「どこ?多摩動物園!!」
いるところはわかっても、年末で仕事もピークになる12月。
こんな時に誰も香藤をトナカイさんに会わせてやる事ができなかった。


「手紙、書いたらいいんじゃねぇ?」
「そうだよ。サンタさんにだってお願いするのに手紙、書くよな」
「・・・トナカイさんって字は読める?」
「・・・・・・・・・」
「だっ大丈夫じゃん。なぁ。小野塚」
「あっああ。たぶんサンタさんが一緒に読んでくれるって」

「私がお預かりして出しますよ」
(清水さん。ナイスフォロー!!小野塚&宮坂は心の中で叫んでいた)

そんなわけで香藤は一生懸命、手紙を書いた。
その手紙は清水から岩城へと渡された。
実は岩城からも香藤のクリスマスプレゼントについて相談を受けていたからだ。
少し躊躇ったが、こっそり中身を確認してみると…

『トナカイさんへ
イワキさんのとこへサンタさんをつれてきてください。
オレはちいさくてなんにもあげられないから…
オレじゃなくてイワキさんだよ。オレはイワキさんだけでいいから。
おねがいします。かとう』

もうすぐそこに・・・
幸せで暖かな聖夜がやってくる。


〈オマケ〉

クリスマスイブの夜・・・

「岩城さん。靴下!靴下!絶対、来るから。サンタさん!」
香藤は夕方くらいから大騒ぎだ。
清水にもらった自分より大きな靴下を岩城の枕の横で自分の頭の上に置いた。
本当は自分の布団があるけれど、今日はサンタさんを見張るからと岩城のとなり
へ潜り込んだのだ。
香藤は夜中に何度も起きては靴下を確認していた。
「サンタさん。まだだぁ〜」

そして朝、岩城が目を覚ますと靴下にこんもり小さな膨らみがある。
「そんなはず・・・」
岩城がそっと中を見てみると・・・まるまった香藤が入っていた。
朝方、冷え込んだので、ゴソゴソ入ってしまったのだろう。

「確かに・・・素敵なプレゼントだ」

香藤が目を覚ますのはもう少し後。
岩城はこっそりクッキーの箱を置いた。
2人で一緒に食べるサンタさんからの贈り物を・・・


H19.12.20 千尋




※靴下の中で寝る香藤くんが可愛すぎです!
ありがとうございます、千尋さんv