「トナカイ」


「そっか・・・サンタさんってトナカイに乗ってくるんだ」
「おい、チビ、ちょっと違ってる」
「どこが?」
「サンタが乗ってるんじゃなくて、サンタが乗っているソリを引くのがトナカイ」
「・・・ふ〜ん・・・」
「あ、なんだよ、その不満そうな顔は!」
「実際に見たことあるの?」
「・・・・・」
「あるの?」
「・・・・・ねえよ!」
「じゃあ、分かんないじゃん」
「分かるって!ほら、これも、これもどの絵も俺の言った通りじゃん!」
「でも絵だし・・・」
「バッカだなあ、おまえ。写真だってあるんだぞ!(確かあったよな、雑誌の広告とかさ)」
「今持ってる?」
「今はないけど・・・・そんなものなんだよ!」
「・・・・・でもトナカイに乗った方が格好いい!と俺は思うけどな」
「おまえが思うことは関係ないの、そういう風に決まってるんだって」
「なら見せてよ、その写真」
「だから今はないって!」



「・・・・なに不毛な会話を続けてるんだ、あいつら・・・」
少し離れたところで皿を出しながら小野塚が呆れたように言った。
「助かるよ、安心してこっちの用意が出来るし」
「あいつら一緒なんですよ、精神年齢が」
その言葉に岩城が笑った。
「それは宮坂くんに悪いよ」
「いえいえ、俺はあのチビが見かけよりも、かなりませたこと言うんで、そう思うわけで」
「・・・そうかな?」
手を止めて小野塚の顔を見る。
そしてリビングで騒ぐ香藤を見た。
「え?言ってるでしょ?いっつも・・・・結構生意気じゃないですか」
「まあ、口は達者だとは思うけど・・・あんなものだろう」
「・・・・」
どんな甘い台詞を言っている時にでも出来ないような甘い顔をして香藤を見ている・・・
そんな岩城を見ながら小野塚は肩をすくめた。

”賑やかなのが好きだから”と
急遽呼ばれたクリスマスパーティー。
今日も思いっきり甘い甘いふたりを見せられそうだ。


「小野塚〜!!!」
香藤に負けつつある宮坂からヘルプの声が響く。
「ば〜か、チビに負けてんじゃねえよ!」
笑いながら料理を運ぶと
「チビって言うな!」
香藤が立ち上がって(でもテーブルの上で、横のローソクと同じぐらいなんだが)
むうっとする。
「お、やるか、チビ」
「受けて立つ!」
ホント・・・・飽きない奴・・・・

「いいか、トナカイっていうのは・・・」


そんな彼らを見て岩城も楽しそうに笑った。
今夜はトナカイ談義になりそうだと・・・・




2007・12  舞


※微妙にテーマを丸投げしている様な気がします(汗)